2022年も9月に入り、秋の行楽シーズンがやってきます。2022年は、敬老の日を含めた3連休と秋分の日を含めた3連休の、2回も3連休があることから、クルマでの遠出を計画されている方も多いことでしょう。
家族や友人とクルマで出かけるのは楽しいものですが、自分が運転するとなると、普段あまり人を乗せて運転しない人にとっては緊張するもの。「下手くそって思われないかな…」と不安になりますし、自分の運転が適切ではなかったばかりに同乗者がクルマ酔いしてしまって、せっかくの外出が台無しに、なんてことは絶対に避けたいところ。また、他人のクルマを運転した際に、クルマを痛めつける操作をするのも、避けたいところです。
同乗者にやさしい運転は、クルマにとってもやさしい運転であり、それができれば「こいつわかってるな」となるはず。運転が下手だと思われてしまう操作や、同乗者や愛車にとってやさしくないNG運転操作をいくつかご紹介しましょう。
文:吉川賢一
アイキャッチ写真:Adobe Stock_Paolese
写真:Adobe Stock、写真AC
「急」のつく操作は同乗者にもクルマにもよくない
「急」がつく操作、具体的には、急ブレーキ・急発進・急ハンドルなどは、「運転下手」と思われる代表的な運転操作。そればかりでなく、同乗者にもクルマにもよくなく、事故のリスクも高まる操作でもあります。
急な操作によって、同乗者は頭を前後左右に振られ、平衡感覚が狂うことでクルマ酔いしやすくなります。またクルマも、急な操作によって、タイヤやサスペンション、ステアリング機構、車体などのあらゆる部分へ、瞬間的に大きな荷重がかかることで、部品のへたりや摩耗が早まります。もちろん、クルマはそこそこの大入力を入れても簡単には壊れないよう、安全率を高めにした強度設計がされてはいますが、大きな負荷をかけることは、確実に劣化を早めることにつながります。
また急な操作は、周囲のクルマにとっても迷惑であり、最悪の場合、事故につながってしまいます。公道の運転で必要なのは、クルマをコントロールするテクニックではなく「予測力」。周囲の状況を把握して次の状況を予測し、早め早めの対応をとる、これが「急」操作を防ぐ秘訣です。ぼーっと運転していたために急操作をしなければならなくなることがないようにしなければなりません。
過度なキープレフトは危険
左側通行の日本において、「キープレフト」は、対向車との接触を防ぎ、追い越し車や右折車の通行をスムーズにして渋滞を予防する、大切なルール。しかしながら、キープレフトは場合によっては危険なこともあります。
たとえば、センターラインのない狭い道では、キープレフトで走行していると、左側からクルマや歩行者が飛び足してきた際、接触する可能性が高まってしまいます。また、自車のみがキープレフトをすることで、クルマの「列」から外れてしまい、対向車などから見落とされる可能性もあります。
道路交通法(第18条)では「車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、道路の左側に寄って通行」とされていますが、同時に、「軽車両にあっては道路の左側端に寄って」とされており、道交法でもクルマは「端に寄れ」とはされていません。特に狭い道では危険なので、左側に寄りすぎることは、避けるようにしてください。
ハンドルの据え切りは、タイヤを削る行為
駐車場などで、クルマを停止させたあとにハンドルを回す「ハンドルの据え切り」。消しゴムを押し付けてぐりぐりすれば消しカスが出てくるように、ハンドルの据え切りは、トレッド面を削る行為そのもの。自分のクルマを運転してもらう時には、相手に絶対してほしくない行為のひとつです。
ハンドルを操作すると動く前輪には、重量1トンのFFコンパクトカーの場合でも、1輪あたり約300Kgの重みがかかっています。アスファルトか、砂利道か、地面の種類でダメージの大きさは変わってきますが、タイヤのトレッド面には確実に負荷がかかっています。
また、ステアリング系やサスペンションのブッシュなどにも、わずかながらダメージが蓄積されていきますので、長い目で見ると、足回りにも負担がかかってしまっています。停車や駐車の際には、わずかにクルマを動かしながら、ハンドル操作をするようにしてください。
コメント
コメントの使い方>過度なキープレフトは危険
センターラインのない狭い道では、キープレフトにこだわることより、速度を出すことのほうが危険でしょ。しかも、速度をだすために「キープレフトをしない!」がこのライターですよね…。
狭い道は、キープレフトどうこうではなく「速度を落とせ!」です。
据え切りはNGっていつの時代の話よ?
免許取った時、据え切りは普通にしていいと習ったが。
サイドブレーキのくだりですが、必要なことは「Pに入れる」「サイドブレーキをしっかりかける(引いたり、踏んだり、ボタン押したり)」が完了するまでは、フットブレーキでクルマが動かないようにすること、だと思います。記事の文面だと「サイドブレーキかけてからPにする」と読めてしまい、サイドブレーキのかかりが弱い、坂道に停めている時に危ないと思います。
Pに入れる前はアクセル踏めば走りますしね。