■充実した運転支援機能は新型車の大きなメリット
注意したいのは、1台のクルマを長く使うと愛着も強まり、手放す時期を喪失する心配があることだ。「これ以上使うと損をする!」と分かっていながら、トランスミッション、燃料噴射装置、エアコンなど、高額なパーツを交換してしまう。
1台のクルマを長く大切に使うのは好ましいが、行き過ぎると損失に繋がるから注意したい。
また衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備、車間距離を自動制御できるクルーズコントロールなどの運転支援機能は、古いクルマと新車では充実度が大幅に異なる。10年前の新車では、これらの先進装備を装着する車種は少数派であった。古いクルマから新車に乗り替える一番のメリットは、先進装備の充実にある。
特に交通事故は、クルマの最も深刻な欠点だ。安全装備の充実した新車を買うことで、交通事故の危険を低減できるメリットはきわめて大きい。逆に古いクルマを使い続けると、安全性を向上させることはできない。
■13年目と18年目には税金の割り増しも待っている
そして今の自動車税制では、最初に登録されてから13年を経過すると、自動車税、軽自動車税、自動車重量税が増税されてしまう。
例えば2019年9月30日までに登録された1.6~2Lエンジンを搭載する自家用乗用車の場合、初度登録から13年までの自動車税は年額3万9500円だ。
これが13年を超えると、15%増税されて約4万5400円になる。軽自動車税は、2015年3月31日までに届け出された自家用軽乗用車は年額7200円だ。これが13年を超えると1万2900円になり、1.8倍の大幅増税になる。
自動車重量税は、13年と18年の2段階にわたって増税される。13年未満の場合、車両重量が1001kgから1500kgに収まる大半の自家用乗用車は、車検時に納める2年分の自動車重量税が2万4600円になる。
これが13年を超えると3万4200円に高まり、比率に換算すると1.4倍だ。18年を超えると3万7800円だから1.5倍に達する。
公共の交通機関が未発達な地域では、年金で生活する高齢者が、買い物や通院に古い軽自動車を使っている。今はコロナ禍で所得が減ったり、新車の納期遅延や中古車価格の高騰により、仕方なく古いクルマに乗り続けるユーザーも多い。
このようなクルマについて困っている人達から、多額の税金を巻き上げるのが今の自動車税制だ。
古いクルマの車検を取って乗り続ける欠点に、自動車税や自動車重量税の増税も挙げられるが、この場合は増税する制度が間違っている。
税金を使って電気自動車に補助金を交付することは、ユーザーにとってメリットになるが、それ以前に困っている人達を一層困窮させる増税を廃止すべきだ。納期が遅延する今だからこそ、愛車を長く使うユーザーに対して、優しい自動車税制であるべきだ。
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