■1991~1995年:RV百花繚乱
1990年代に入ってからSUVは大きな変化を迎える。乗用車ベースのモデルが登場し始めたことである。
そのパイオニアが1994年の初代RAV4(トヨタ)で、初代RAV4は登場時の3ドア車の可愛らしさによるスペシャルティカー的な要素に加え、雪道をはじめ、ほどほどの悪路にも充分対応できる点、リーズナブルな価格などがウケて人気車となった。さらに翌1995年には5ドアも加わった。
RAV4をさらにスペース重視とし、ステーションワゴン要素も加えたのが1995年登場の初代CR-V(ホンダ)だ。
CR-Vは世界的なヒット車となり、当時窮地に立たされていたホンダを救う原動力となった。
■1996~1999年:ネオクラシックSUVラストイヤー
また、1990年代は輸入車のSUVが台頭し始めた時代でもあった。特にジープチェロキーの2代目モデルとランドローバーディスカバリーの初代モデルはそのキャラクターに加え、それぞれに300万円を切るモデルがあったことも人気だった理由といえる。
そして1997年、初代ハリアー(トヨタ)が登場。乗用車ベースの高級SUVというジャンルを開拓し、後にBMW X5のようなフォロワーも現われたのに加え、平成初めまでのマークII三兄弟のような存在に成長した、今でも大人気のモデルだ。
2000年代に入るとSUVは乗用車ベースが主流となったことで、その人気は一旦落ち着いた。
だが2010年頃からブームが再燃。そして今最も『激戦区』なカテゴリーとなっていることは周知の事実だ。
1980年代から1990年代に見せた空前のRVブームはまさに昨今のSUVブームの先駆けともいえるもので、同時期のネオクラシックスポーツカーにも負けない魅力を持つモデルが数多い。
そして、いまだ多くのファンの心を掴んで離さない。
【番外コラム】当時もやっぱりいた「RV風」なクルマたち
近頃のSUVブームで新型SUVが続々登場しているが、なかにはオフロード走行を考慮せず、外観をそれっぽくして車高を少し上げた「SUV風」なモデルが見られる。
そして1980年〜1990年代のRVブーム当時も「RV風」なクルマが……やはり存在した。例えばホンダシビックシャトルビーグル、wなどだ。いずれも中古車は少なく激レア車である。
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