いまや世界的な潮流となったSUVブーム。名だたるスーパースポーツメーカーまでもがSUVを出すなんて、すこし前までは考えられなかったことだった。さて、そんなSUVの呼び名が定着するのは1980年代から1990年代にかけてと言われる。「クロカン(クロスカントリー)」から「RV(Recreational Vehicle/レクリエーショナル・ビークル)」まで。SUVブームが形作られる過程で現れ流行した「四角いSUV」たちを振り返る!!
※本稿は2022年6月のものです。入手困難度の見方:星5つ/奇跡、星4つ/超困難、星3つ/困難、星2つ/楽勝、星1つ/余裕
文/永田恵一、中古市場情報/萩原文博、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年7月10日号
■1980~1990年:RVブームの夜明け
1970年代まで現在のSUVに相当するモデルはランドクルーザー(トヨタ)や三菱ジープ、ジムニー(スズキ)といった本格派オフローダーしかなかった。
その流れを変えたのが1982年登場の初代パジェロ(三菱)だ。初代パジェロはピックアップトラックのフォルテをベースにした乗用車的な本格クロカンSUV。
商用バンの3ドアでスタートしたパジェロは5ドアや3LV6などバリエーションを拡充。さらにバブル景気やRVブーム、パリダカ参戦によるプロモーションも後押しし、モデル末期になるにしたがって販売台数が伸びるという異例の売れ方をした。
なお、初代パジェロの登場にトヨタと日産は、どちらも同車と同じ成り立ちであるハイラックスサーフとテラノで追従し、この2台も人気車となった。
1980年代のSUVでもう一台エポックメイキングだったのが、1988年登場の初代エスクード(スズキ)である。
初代エスクードは3ドアでスタートしたクロカンSUVながら、コンパクトかつ乗用車的というコンセプトで大ヒット。1990年に加わった5ドアの「ノマド」もエスクード人気に大きく貢献した。
そして、RVブームが始まったのは平成元年(1989年)あたりからだ。
RVブームに火がついた要因として、1980年代から週休2日制が定着し、休日にアウトドアを楽しむのに使いやすいクルマの需要が増えたことや、スポーツ系やマークII兄弟といったそれまで人気だったモデルに対する飽き、ハズシ的な存在といったものが挙げられる。
なお、この時のRVブームと並行して、この頃からモデルが増え始めたミニバンやステーションワゴンなども勢いづいた時期でもあった。
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