トヨタ・ハイブリッド車の元祖であり絶対的エースであるプリウスが、2022年12月、いよいよフルモデルチェンジを迎える。
2015年の登場からマイナーチェンジや特別仕様車の追加などを挟みつつ、7年の間親しまれた現行型プリウスと比較しながら、新型プリウスを予測する!
文/遠藤 徹、写真/TOYOTA、ベストカー編集部
■1.8Lハイブリッドと2L・PHEVの2本立て
トヨタはハイブリッド軍団の超エース「プリウス」をこの12月下旬にもフルモデルチェンジする方向でスケジュール調整をしている模様である。5代目を迎える次期型はTNGAによる新開発のプラットフォームを採用する。
基本的な5ドアハッチバックレイアウトは継承するが、ワイド&ローのクーペシェルで、よりハイクォリティなスポーツ&スタイリッシュシェルで仕立てられる。
パワーユニットはハイブリッドをリチウムイオンバッテリーの改良型1.8L、同時に設定するPHEVは新開発の2Lで航続距離を100kmまで延長するべく開発を進めている。
これまでPHEVはハイブリッドユニットの次を睨んだ補助的な存在だったが、次期型ではシリーズの半分を構成するような、準主役としての戦略性を期待できる存在を目指している。
ボディサイズは全長4550×全幅1780mm×全高1415mmで現行モデルに比べると全長がマイナス15mm、全幅が同じ、全高がマイナス55mmで若干サイズダウンしている。ホイールベースは2750mmとなり、50mm延長することで走行安定性の向上を図っている。
■プリウスとプリウスPHEVのプロジェクトを一本化
全高が下がる分、ヘッドクリアランスも若干抑えられるが、シートポジションを引き下げてレイアウトの工夫で狭さを感じさせない室内空間を確保している。フロントマスクは細く横に長いグラスケースに三眼REDヘッドランプ、回りに鋭角のLEDデイライトをラウンドさせている。
リアのランプは横に一体型の樹脂製ブラックオーナメントにコンビランプを左右に埋め込んでいる。フロントの横長台形グリルとリアのバンパーに埋め込んだ台形の樹脂製オーナメントは共通のデザインモチーフを強調している。
パワーユニットはハイブリッドが1.8Lとリチウムイオンバッテリー、PHEVが2Lとリチウムイオンバッテリーとの組み合わせになる。ゆくゆくは2Lで1本化する方針だが、当面は1.8Lで進化させ、2L・PHEVでまず様子を見ようとのスタンスが伺える。
2LのハイブリッドはレクサスUXで2021年8月に実用化しているので、これをモーターやバッテリーの容量アップでPHEV化することにしたものと思われる。
これまでプリウスハイブリッドとプリウスPHEVは別モデルとして開発プロジェクトを分けて開発してきた。次期型は同一プロジェクトで開発を進めている。将来的にはPHEVが主力になり、こちらに集約される長期計画があるためだ。
では、なぜ1.8Lから2Lに進化させるのか。まず、2Lのほうが性能と燃費の向上を両立させるのに好都合なことが挙げられる。
それにホンダ以下ライバル他メーカーの多くが2Lでハイブリッド車を設定し、上級コンパクトやミディアムクラスの主軸モデルに搭載している現状がある。したがって1.8Lでは非力感があり、販売での対抗上必須との思惑がある。
トヨタはすでに1.8L、2Lの両ユニットも持っているので、どちらでも対応できる状況にある。
ただ、ハイブリッドやPHEVとの組み合わせを考慮する場合に「両ユニットの併設で量販モデルには搭載しないとの基本方針がある。」(トヨタ開発関係者)ことから、どちらかに1本化するのが基本スタンスになっているようだ。
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