自動車事故時に自動通報 単独事故でも救助が来る!? Dコールネットの存在を知ってるか?

 いまやスマートフォンをはじめ携帯電話はもはや当たり前の時代。これにより交通事故時などの救急要請も迅速になり、助かる命も増えたはずだ。

 しかし人里離れた場所での単独事故などで大けがを負ってしまった場合は万事休す。こんな時に助かるにはどうすればよいのだろうか? 

 今回はそんな時に活躍するDコールネットと呼ばれる自動通報装置について迫ります。現在はトヨタとホンダを中心に実装されているこの機能。

 実はあなたのクルマにもついているかもしれませんよ!?

文:国沢光宏/写真:トヨタ、ホンダ
ベストカー2018年12月10日号


■クルマにかかったダメージをデータとして通報

 新しい世代のクルマには多数のセンサーを搭載されており、CANというシステムで繋がっている。

 例えば当該車両がエアバッグ展開するほど大きなダメージを受けた場合、衝突した時の速度変化やクルマの姿勢、シートベルトを着装していたかどうか、車両の進行方向などすべてデータとして残す。

 現行プリウスや、コネクテッド搭載のクラウンなど、飛行機のフラトレコーダーよりもっと多くのパラメーターを持っていると言われるから凄い!

 このデータを事故発生時に活かしてやろうという『Dコールネット(正式名称D-Call Net)』というシステムがある。なぜかあまりアピールしていないため、認知度は極めて低い。どんなシステムか?

 まず事故に遭遇し大きな衝撃を受けたとしよう。搭載している機器から自動的にDコールネットの中央管理センターと、ドクターヘリが待機している病院に緊急信号が送られる。

Dコールネットの訓練用画面。事故後の経過時間、事故発生場所のみならず、死亡や重症の確率もわかる。この情報を事前に入手することで医療関係者の準備も整いやすい

 この信号、前述の速度や衝撃Gなど車内CANのデータから推定した重傷度評価も付く。つまり緊急信号を見ただけで軽微なダメージか重篤なダメージかを判定出来るのだった。

 大きなダメージを受けていた、ということなら、その時点でドクターヘリは飛ぶ準備に入ります。同時に緊急信号を受けた中央管理センターは、Dコールネットの車両に安否確認のため電話。

 出れば救急車を呼ぶなど適切に対応する。大きな衝撃を受けており電話を受けてくれなければどうか?

 その時点で「電話に出られない状況の事故に遭遇した」と判定し、救急車の手配を行う。最初に事故現場に付くの、救急車です。

 何より心強いのは自分で救急車を呼べないような重篤なケガをしていても、GPSで場所を確定できる。通報遅れで命を落とす割合を大きく減らせるハズ。

 交通量の少ない場所での単独事故とかだと、他のクルマが通りがかるまで救急車も来ない。

 ドクターヘリが飛べる条件(悪天候や夜間は飛べない)なら、ケガした人をランデブーポイント(残念ながら日本はヘリが降りられる場所が決まっている)まで運んでいる間に、ヘリは到着している。

■ダメージ判定の迅速化で助かる命が増える

 ご存知の通り救急隊員は止血など救急救命処置しか出来ない。どんなに痛くても痛み止めは打てず、しかも救急車だと病院に緊急搬送されてからダメージ判定を開始。

 ドクターヘリで現地に医師が飛べば、その場で出来る処置の幅は大きく広がる。飛行中にある程度のダメージ判定だって出来ることだろう。

 手術に必要な体制を整えることも可能。もちろん救急車より圧倒的に短い時間で大きな病院に着く。ドイツなど、ドクターヘリによる救命率は当然ながら救急車よりずっと高い。

なんと治療開始まで17分短縮という計算もある。特にドクターヘリ要請までの時間が圧倒的に短縮されているのがわかる

 心強いDコールネット。すでにトヨタ車の一部と大半のレクサスに搭載されており、コネクテッド付きのトヨタ車にはすべて付く。

 ホンダもインターナビ付きのクルマならDコールネットの機能を持っているが、最初にセットアップしないと稼働しない(なぜかディーラーで教えてくれません)。

 私が先日まで乗っていたステップワゴンもDコール搭載車だったけれど、セットアップしておらず稼働してなかった。心強いシステムなので、ぜひ使って欲しい。

【参考】
ヘルプネットが運営する自動通報システムを使用可能な車種一覧はこちらから

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