あおられる側にも原因あり!? 「あおられないための運転術」車間距離開けすぎ 追い越し 車線居座りは避けるべし!

■あおられる側は周りの交通状況に気づいていない?

あおり運転のターゲットとなるドライバーは、車間距離をとり過ぎていたり、追い越し車線を制限速度を守って延々と走り続けたりと、周囲の状況が把握できていない場合が多い(metamorworks@AdobeStock)
あおり運転のターゲットとなるドライバーは、車間距離をとり過ぎていたり、追い越し車線を制限速度を守って延々と走り続けたりと、周囲の状況が把握できていない場合が多い(metamorworks@AdobeStock)

 車間距離は本来、安全のために確保するもので、個人差はあるが距離を取り過ぎているのは無駄ということや、むしろ危険ということは断じてない。しかし弊害もあるのは否めない。

 あまり車間距離をあけすぎると後続のドライバーが、イライラする原因にもなる。特に片側2車線の道路の場合、車間距離を空けていると隣の車線からどんどんクルマが入ってくることになると、後続のドライバーは損した気分にさせられるのだ。

 これが前走車のドライバーに対しての怒りになり、あおり運転のトリガーになってしまうことになる。

 そんな状況になっていることや後続のドライバー、対向車に対して配慮ができないドライバーは残念ながら一定数は存在するようだ。

 もちろん、前方の自動車に激しく接近し、もっと速く走るように挑発する行為は法令違反となり、車間距離保持義務違反に相当する。

 他にも制限速度を守って追い越し車線を走り続けるような、周囲の状況が把握できていないドライバーがよく標的になる。あおり運転の多くは追い越し車線を譲らずに走り続けることがきっかけで発生しているのだ。

 追い越しが終わって安全に走行車線に戻れる状況にあるにもかかわらず、その車線をずっと走り続けると、たとえ法定速度以内であっても「通行帯違反」となり、違反点数1点で反則金6,000円(普通車)が科せられるのを忘れてはならない。

 高速道路や車線が2車線以上ある道路では、左側車線が走行車線、右側の中央寄りの車線は追い越し車線と規定されている。

 道路交通法では、「車両は車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければいけない」と記載されている。通常は走行車線を走り、追い越し時には追い越し車線を使って前走車を追い越した後、速やかに走行車線に戻るのがルールでありマナーなのだ。

 一方、追い越し車線はどれくらい走り続けていると違反になるのだろうか。 目安は2kmとなっているようだが、実際には2Km未満でも摘発されることもある。

 ちなみに、追い越し車線に前のクルマが走り続けているかといって、左車線からの追い越しは、追い越し違反になり、違反点数2点で反則金は9,000円になるので注意が必要だ。

■安全かつ現実的な車間距離を把握する

自動車教習所で使用する教本が推奨する車間距離は現実的ではない。2秒間で進む車間距離を目安にすれば現実的でなおかつ安全な車間距離がとれる(Paylessimages@AdobeStock)
自動車教習所で使用する教本が推奨する車間距離は現実的ではない。2秒間で進む車間距離を目安にすれば現実的でなおかつ安全な車間距離がとれる(Paylessimages@AdobeStock)

 車間距離については、自動車教習所で使用する教本を見ると、高速道路では速度(時速)と同じ数字のメートル(m)分だけ車間距離を開けるように(雨でタイヤがすり減っている場合は、その倍!)教えているがこれはちょっと現実的ではない。

 実際の高速道路でそれほどの車間距離を空けられたら、それは確かに安全ではあるかもしれないが、円滑な交通の妨げになることも考えなくてはいけない。ルールを守る意識も大事だが、交通トラブルを防ぐことも考えるべきなのだ。

 ちなみに欧州では車間距離は実際の距離数ではなく、時間で考えるのが主流になっており、日本交通心理学会のデータ分析に基づいて推奨されているのも「2秒ルール」だ。

 最初の1秒は危機を認知してブレーキを踏むまでの空走距離、次の1秒は制動力が働くまでの時間、その合計で2秒となる。60km/hでは33.3m、100km/hでは55.6mだ。

 日本交通心理学会が行った車間距離測定実験によると、プロドライバーが走行した車間距離を時間に換算して「車間時間」を算出したところ、安全を感じ始める距離が約1.5秒、近すぎるとも遠すぎるとも感じない走りやすい距離が約1.8秒という結果が出ている。

 統計的には車間時間が2秒以内での事故は死亡事故等の重大事故が多く、2秒以上離れていると大きな事故となっていないことが示されている。

 では車間距離の時間をどうやって計ればいいのか。これは走行中に目印を見つけるだけでいい。路面の継ぎ目や標識など、道路上の目印を前走車が通り過ぎ、自車がそこに到達するまでの時間を計ればいいのだ。

 それもストップウォッチなどで正確に計る必要などない。頭の中で「1、2」と大体1秒ずつカウントすれば十分だ。時計の秒針で確認してみればわかるが、1秒は意外と長く、ゆっくりカウントする必要はある。

 ただし4秒以上あけると、今度は後続のドライバーがイライラして車間を詰めてきたり、追い越しをかけようとしてこれまた交通トラブルの原因となるので、2秒の間を保つようにすることだ。

 ちなみに車間距離について、道路交通法の第26条では、「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両等が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離をこれから保たなければならない」と定めている。

 車間距離保持義務違反の法定刑は一般道の場合、5万円以下の罰金、高速道路の場合は3ヵ月以下の懲役または5万円以下の罰金。違反点数は一般道の場合は1点、普通車の場合は反則金6.000円。高速道路の場合は違反点数は2点、反則金は9,000円。

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