車載ディスプレイはデカ過ぎ!! どこまで大きくなる? 実は大きさに規制はなかった……

■実は鍵はディスプレイではなかった……

新型トヨタ クラウンのヘッドアップディスプレイ。運転シーンに合わせて「フル/スタンダード/ミニマム」の3つに切り替え可能な表示モードを用意
新型トヨタ クラウンのヘッドアップディスプレイ。運転シーンに合わせて「フル/スタンダード/ミニマム」の3つに切り替え可能な表示モードを用意

 今回の件も含めて、ディスプレイに関しての上限はあるのかを国土交通省自動車局に聞いてみた。基本的にはディスプレイの大きさには上限はない、とのこと。で、ここでわかったことはこれまでのディスプレイではなく、重要なのは搭載車が増えてきているHUD(ヘッドアップディスプレイ)の法制化だった。

 HUDはメーカーによって呼称が異なるが、大まかに言えば、窓ガラスに速度などの情報を投影するシステムだ。今回のテーマであるディスプレイの大型化による視線移動の問題や情報量の過多などにより、見方によっては事故が増える可能性もある。

 そこで注目されるのがHUDなのである。

 初期の頃に発売された車両に設定されていたHUDは単色で速度のみ、というものも存在したが、昨今ではカラー化はもちろん、速度だけでなく、ナビゲーションとの連携による「ターン・バイ・ターン(矢印)表示」、そしてADASの動作状況など項目自体は増え続けている。

 すでにこの段階でも情報量は多いのにこのまま技術革新という名の元に情報量を増やしていくと今度はHUDを凝視して事故を起こす可能性すらある。

 令和4年6月22日に策定された道路運送車両法の保安基準等による一部改正によれば、

 「乗車定員10人未満の乗用車の前面ガラス等に投影される、運転者による認知を支援するための視界アシスタント(FVA:Field of Vision Assistant)情報について、運行中に表示してよいものを運転に関連する情報に限る等の明確化を行う」

 とある。また新型車は令和5年9月1日より、継続生産車は令和6年9月1日から適用されると告示されている。

 わかりやすく言えば「HUDのような情報を表示しアシスタントする機能にも運転中に表示してよいものを限定する」ということである。

 つまり今回のテーマで言えば、現在のディスプレイはある程度一定の大きさまで拡大し、コンパクトカーなどにも十分普及した後は、運転中の情報を確認するというよりは各種設定などを行うメインコントロール機能に特化する(走行中は操作を制限する)のではないか。

 実際の運転時にはHUDのようなシステムや音声操作などを活用することで視線移動を抑え、将来の自動運転時にも注意散漫にならないようにしていくことが予想される。

 ただ、それでもこのトレンド自体はまだまだ続くはず。意外と知られていないが、ディスプレイはオフにすることもできる。もし過去、運転中にディスプレイを見過ぎて「ヒヤリハット」状態に陥った経験のある人はオフにして取得できる情報量を抑えるのも良いかもしれない。

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