昨今の新型車を始め、CASE時代に合わせて、車載ディスプレイの大型化が進んでいる。従来まではカーナビの地図表示やカーAV機能がメインだったが、現在はエアコンやADASの各種設定まで多岐にわたっている。
一方でディスプレイの大型化に対してうっとうしいと感じている人もいるのも現実だろう。今後のディスプレイに関して法規制の流れなども含めその未来像を解説する。
文/高山正寛
写真/トヨタ、日産、テスラ
■専用デザインにより従来の枠組みが崩れた日
現在のカーナビに代表される「大画面化」のトレンドは多くの人が理解していると思う。物理的にも地図の大型化は視認性やスイッチ類の操作性も向上させることが可能だ。
これを実現したのが、自動車メーカーがこれらをインフォテインメントと一体で開発したこと。従来までの2DINにカーナビをインストールするスタイルはデザイン側からしても全体のイメージ(コンセプト)を損ねるし、何よりもそれまでのDIN規格ゆえに大画面化は難しい。
昨今は市販カーナビでディスプレイを本体から独立させる「フローテング構造」で大画面化を実現させたモデルが多く発売され人気だが、これはあくまでも2DINユーザーに対しての提案だ。
自動車メーカー側としてはあくまでもディスプレイ(インフォテインメント)もインテリアのひとつ、という考えで設計を行っている。つまり従来までの枠組み自体が大きく変化(終わり)しているひとつの証とも言える。
■大画面化や情報量が多すぎるのでは?
一方でディスプレイの大型化は人によっては「うっとうしい」と感じる場合もある。
世に送り出される新型車はとにかく大画面の傾向にあることはいまさら説明の必要はないだろう。
従来までの横型から縦型へ。テスラ・モデルSの17インチ、プリウスPHVの11.6インチなどはタブレットをはめ込んだようなイメージ、もちろん横型も前述したような専用設計であることからも新型クラウンには12.3インチの大画面が装着されている。
ホンダeのような5つのディスプレイを並行に配置したワイドビジョンインストルメントパネルも斬新な発想と言える。
また実際の市販には至らなかったが中国のバイトンの「Mバイト」には世界最大となる48インチ幅のワイド液晶スクリーンが搭載(予定)だった。
これらの例を見るまでもなく、専用設計による大画面化は従来までのカーナビ&カーAVだけではなく、エアコンやADASの設定、また切り替えによっては常時燃費などの走行情報がめまぐるしく動き表示される。
全てがそうではないにせよ、視線移動なども考慮するともう少しシンプルのほうが良いと感じるユーザーもそれなりにいる。
もちろん、メーカーもその辺は考えており、ディスプレイの表示項目を減らす「シンプルモード」のような設定も行っているが、悲しいかな筆者も含め「せっかく情報量の多いディスプレイ付きのクルマ買ったんだから沢山表示したい」という感覚が襲ってくるのもひとつの事例だろう。
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