え…燃料計「半分」は、満タン時からあと半分走れる…わけではない? 燃料計の計測方法とは

最初はゆっくり、半分を過ぎると急激に指示値が下がることが多い

 燃料計に関しては「満タン付近の動きはゆっくりで、半分を過ぎた頃から急速に減る」「満タン付近はなかなか減らない」というように、燃料計が指す値の変化にリニア感がないと感じている人も多いのではないでしょうか。

 「最初はゆっくりで半分過ぎてから急速に減っていく」というのも、タンク形状の影響です。一般的な燃料タンクの形状は、下半分は小さく、上半分が大きい逆円錐形状になることが多いため、最初は燃料液面が下がるまでに時間がかかるのです。まだまだ大丈夫と油断していたら、いつの間にか燃料がなくなったということもあるので、注意が必要です。

 またガソリンスタンドで満タンにした直後は、指示値は満タン(F)付近からある程度走行しても動きません。燃料計のF点は、タンクに入る燃料の上限レベルで決まっていますが、ガソリンスタンドで満タンにすると、その上限よりさらに上のゾウさんの鼻のような形状の給油口部まで給油されるので、給油口に入っている燃料が消費されるまでは、指示値はF付近から下がらないのです。

 ちなみに、タンク容量はタンク単体の容積なので、給油口からタンクまでのホース部分は含まれません。したがって、タンクを空にして満タンにすればタンク容量以上に燃料は入ります。

燃料残量警告灯が点灯しても50km程度は走行可能

 レベルゲージユニットには、燃料残量警告灯のためのサーミスタも装着されています。サーミスタは、温度によって抵抗が変化するセンサーで、燃料に浸かっているときには冷やされて抵抗値は高く、サーミスタが燃料から露出(液面が低下)すると抵抗値が下がる特性を持っています。サーミスタの取り付け位置は、燃料計の指示がEに近づいて、燃料がいよいよ残り僅かというタイミングで、警告灯が点灯するように設定されています。

 警告灯点灯時の燃料残量に関しては、レベルゲージの精度が良くないこともあり、統一された基準があるわけではなく、クルマによって異なります。一般的には、最初に点灯した時の残量は4L~6L程度が多いですが、それ以上のクルマもあります。安全サイドで考えて、50km程度走行できれば、どこかのガソリンスタンドにたどり着けるという考え方で、警告灯の点灯タイミングは決められるようです。

 燃料残量警告灯も燃料の液面の変化で反応するので、坂路を走行したり、過激な運転をすると、点灯したり消えたりします。いずれにせよ、警告灯が点灯したら早めに給油することです。あせってガソリンスタンドを探すと、精神衛生上も良くないですし、事故も起こしやすくなります。

◆     ◆     ◆

 ガス欠しそうになって、冷や汗をかきながらガソリンスタンドを探した経験は、誰でも1回ぐらいはあるのではないでしょうか。燃料計の指示値を見て、残り何リッターあると考えるのではなく、例えば指示値が1/5になったから、あと何キロ走れるというように、燃料量でなく走行距離で経験的に認識する方が確かだと思います。

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