■SUV編
SUVの発祥は悪路を走破するクルマだったから、すべての車種が4WDを用意する。評価の条件として、悪路の走破性能、舗装路の安定性、燃費や価格などが挙げられる。
悪路走破力で選ぶならジムニーだ。ラダーフレームに耐久性の高い足回りを備え、4WDには駆動力を向上させる副変速機も備わる。カーブを曲がる時に、前後輪の回転数を調節するセンターデフなどを装着しないため、舗装路は2WDで走るが、悪路走破力は抜群に高い。価格はXCが184万1400円。軽自動車では高価だが、優れた走破力を考えれば納得できる。
舗装路と悪路の両方を重視するユーザーには、エクストレイルを推奨したい。4WDシステムは、電子制御される多板クラッチにより、駆動力を前後輪に振り分ける方式だ。多板クラッチの締結力を強めるロックモードも備わって雪道でも使いやすい。
4WDが主力だから、2WDと比べた時の価格上昇も20万6280円に抑えた。シートや荷室に防水処理を施すなど、悪路での使い勝手を支援する機能も充実している。
ハイブリッドでは後輪をモーターで駆動する4WDのハリアーに注目したい。ハイブリッド車に2WDは用意されないから、燃費や価格の直接比較はできないが、モーター駆動であればエンジンの負担を抑えられて実用燃費に有利。
JC08モード燃費は21.4km/Lだから、上級SUVでは燃料消費量が少ない。価格はハイブリッドプレミアムが407万4840円と高いが、2WDで500万円を超えるクラウンハイブリッドに比べれば割安だ。
■ミニバン編
ミニバンで最も注目されるのはデリカD:5だ。プラットフォームや4WDはSUVのアウトランダーと共通で、前輪駆動をベースにしたタイプではあるが、悪路走破力はミニバンでナンバー1だ。
最低地上高に余裕を持たせて悪路のデコボコを乗り越えやすく、多板クラッチ式の4WDには、締結力を強めるロックモードも装着した。
4WDの価格は、2WDに比べて41万5800円高いが、4WDでは排気量が400cc増えて2.4Lになる。アルミホイールなども標準装着されるから、4WDの単体価格を割り出すと約26万円だ。機能の違いを考えれば妥当な設定になる。
4WDの割安感では、ステップワゴンも注目される。電子制御式の多板クラッチを装着して路面状態に合わせた制御を行い、雨天や雪道に対応した。
そのうえで2WDと比べた時の価格上昇は、2WDと4WDの装備が同等になるスパーダクールスピリットホンダセンシングの場合で19万4426円に収まる。電子制御式4WDでは割安だ。このグレードのJC08モード燃費は、2WDが15.4km/L、4WDは15km/Lだから、4WDは燃費の悪化率も小さい。
上級ミニバンではアルファード&ヴェルファイアのハイブリッドが注目される。後輪をモーターで駆動する4WDが備わり、雪道などでは発進時の支援を行いながら、JC08モード燃費は18.4km/Lと良好だ。
2.5Lの4WDは12km/L、3.5Lは10.4km/Lだから、ハイブリッドであれば数値上は燃料代を35~44%節約できる。
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