2代目モデルでハリアーは終わる予定であったというのは有名な話。あまりの人気から急遽国内専売モデルとして続投が決められ、現在に至るのだ。
そしてハリアーの後釜モデル(厳密にはハリアーとクルーガーの後継車候補)として投入されたのがヴァンガードであった。3列シートもラインアップするなど、今思えばコスパもサイズもお見事! でも残念ながら1代限りで終了となってしまったのだ。ディーラーマン的にはどう評価していたのか!?
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
■リーマンショックなど経済困窮時代に誕生! 落としどころが見事だったヴァンガード
ハリアーやRAV4という、トヨタSUVの2台巨頭から、2000年初頭に派生モデルが続々と生み出された。ハリアーはレクサス RXへ、RAV4も北米市場を中心に活躍していたクルマであり、両者をベースにした国内向けのSUVを、トヨタは作りたかったのかもしれない。
初代ハリアーのプラットフォームを使って作られたのがクルーガー(現北米ハイランダー)であり、3代目RAV4のプラットフォームを使って作られたのがヴァンガードだ。
どちらかというと、ヴァンガードよりもクルーガーの方がハリアーの血が濃いのだが、逆の認識をされてしまうことも多い両車。クルーガーがビスタ店(現ネッツ店)とカローラ店、ヴァンガードがトヨペット店とカローラ店で扱われていたことも、この錯誤を助長する。
ヴァンガードの全長は4,570mmと、この手のミドルサイズSUV群と比べると、全長が100mm以上短い。当時、3列シートSUVとして人気のあった三菱アウトランダーでも全長は4,640mm確保されている。全長4,570mmに3列シートを配列するレイアウトは、かなり奇抜なものだった。
エマージェンシー用に割り切った3列シートや、見た目の装飾だけでなく質や機能にこだわり抜いたヴァンガードは、高級車をブレイクスルーし、新たな価値を創造している。それでも心臓部にはV6・3.5Lエンジンを搭載するなど、上位車格であることにはこだわり抜いた。
サブプライムローン問題やリーマンショックなど、世界金融危機に日本も大きく振り回された時代。回復が見通せない経済状況の中、高級車が今後どのようにして生き残っていくべきか、トヨタが示した答えが、ヴァンガードなのである。
コメント
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カローラワゴンのSUV版ってイメージ。走行性能とか見栄張れるとかは二の次で、
全然高級車ではなかったけれど、その分、非常に安くて実用、癖もなく使いやすい見た目と中身なクルマ