ぶっちゃけどうよ「新車の値引き」はディーラーによってどれくらい違うのか?営業マンに嫌われないで値引き額を上手に引き出すコツとは 

ぶっちゃけどうよ「新車の値引き」はディーラーによってどれくらい違うのか?営業マンに嫌われないで値引き額を上手に引き出すコツとは 

 新車購入する際、みなさんは値引き交渉をしていますか? お店で売っている商品には値札がついていて、新車の車両本体価格から値引きしてくれるとは思わなかったと……、知らない人もいるかもしれません。

 ではいったいどのくらい値引きしてくれるのでしょうか? 近所のディーラー、少し離れたディーラー、隣の区や市、首都圏、地方など、地域によっても値引き額は変わってくるのでしょうか? また営業マンの交渉の仕方によっても値引き額は変わるのでしょうか?

 謎だらけの新車の値引きについて、流通ジャーナリストの遠藤徹氏が解説します。

文/遠藤徹
写真/Adobe Stock(xiaosan@Adobe Stock)、ベストカーweb編集部

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■1台売るとディーラーのマージンはいくら入る?

人気のノア&ヴォクシー。ハイブリッドの納期は1年以上という人気ぶり。10月初旬現在、ノアの値引き額はオプション込みで20万~26万円。販社の違うディーラーを競わせると3万円ほどの差があった
人気のノア&ヴォクシー。ハイブリッドの納期は1年以上という人気ぶり。10月初旬現在、ノアの値引き額はオプション込みで20万~26万円。販社の違うディーラーを競わせると3万円ほどの差があった

 新車を購入する際の値引き額は極めて複雑な構造になっており、最近、大きな変化がみられる。

 自動車メーカーは、正規販売店に対して新車を卸売りし、正規販売店がユーザーに小売販売する。その際に車両本体、メーカーオプションのマージン分と消費税を乗せ小売価格を設定する。

 販売店が正規の小売価格を決めて販売するのが基本だが、たいていの場合、メーカーが提示した希望小売価格(サジェッションプライス)をそのまま小売する店頭販売価格として設定するケースがほとんどである。

 マージン幅はメーカーによって格差があり、ディーラーのマージンは車両本体価格の15~20%、メーカーオプション&付属品(愛車セットなど)は10%程度といわれている。このマージンが値引き余力となるが、実際はこれだけではない。

 販売店で取り付けるディーラーオプション、割賦購入の際の金融機関からのバックマージン、下取り車があればこの分の査定額に対する上乗せの引き取り価格分などもあるので、これらが実質的な値引き額の総額となる。

 実際の値引き額は地域、店、購入時期、交渉するユーザーの交渉次第でも大きな差がつく。このため「新車の販売価格はあってないようなもの」といわれている。例えば、車種によって異なるが、新車発売から1年以内のクルマで、車両本体の値引きは3〜7%程度、または一律5万~10万円までという具合だ。当然、不人気車やモデル末期車は、メーカーからのマージンが増えるので、値引き額も増加する。

 程度の差こそあれ、昔も今も変わっていないのである。車両本体価格だけをとって見ると、最近になって自動車メーカー各社は販売店のマージン幅を5%程度絞る傾向を強めているという。

 しかしながら、総値引き額はそれほど引き締めていない。メーカーやディーラーオプションの走行安全対策、利便性向上などの装備品が増え、この分のマージン20~30%の一部が値引きに振り向けられているからである。

■値引き額は販売店、地域によってどれくらい差があるのか?

最も値引き額が大きくなる決算期が狙い目だが納期が長い現在の状況ではピンとこなくなってしまった
最も値引き額が大きくなる決算期が狙い目だが納期が長い現在の状況ではピンとこなくなってしまった

 では新車の値引き額の相場はいくらなのだろうか? 受注開始から新車発売日まではほぼ値引きなしが多く、新車発売日から数ヵ月は営業マンは強気だから車両本体価格の2%~5%、それ以降は5~10%となる。

 値引き率の平均は10%が相場。もちろん、100万円台のコンパクトカーと、ミニバン、500万円以上の高級車では値引き率は異なり、高額車ほど値引き率が大きくなる。

 発売後2年以上経過しマイナーチェンジモデル前のモデルやモデル末期車、不人気車だと新車からの値引き率は20%を超え、30%を超えることもある。これは車両本体価格からの値引き率だが、これにメーカーオプション、ディーラーオプションの値引き率20%~30%が加算され、さらに下取り車の査定額が上乗せになる。

 具体的な値引き額としてコンパクトカーの一例を挙げたい。ナビ、ETC付きのコンパクトカーだと、相場としては新型車(新規やフルモデルチェンジ車)は発売後半年くらいまでは5万~10万円と引き締めているが、半年から1年経過すると15万~20万円に拡大。

 その後、1年半から2年経過すると25~30万円に拡大し、2年経過すると一部改良やマイナーチェンジし、10万~15万円にいったん引き締まる。その後、半年刻みで3万~5万円上乗せしていく。5~6年経過でフルモデルチェンジし、最初の新型車に戻るといった傾向がある。

 値引き額は販売店によって違うか否かは、地域やメーカー系列店によって格差がある。トヨタは関東地区だと東京と神奈川地区は1本化して「モビリティ」の名称で統合したことによりコンピュータで一元管理しているので、値引き額にほぼ差はない。

 例えば、A店とB店は数km離れていても同じ系列店だった場合、見積書を作成する時点で照合され「A店で見積書を取られましたか? 同じ会社なので変わりません」と言われるのは明白。その前に、ショールーム前に停めた愛車のナンバーがコンピュータに打ち込まれ、すぐに分かってしまうのだ(経験談)。

 1本化している地域以外は4系列店が別法人を維持しているので、系列店による値引き格差は、これまで通り存在する。

 日産系列店以外は扱う車種の1本化は行われているが、別法人であれば値引き格差があり、好条件で買える店舗で選ぶのがおススメといえる。ディーラー検索サイトで、販社が同じかチェックしたい。

 最近の新車購入は80%が代替え需要となっている。下取り車の買い取り価格は、店によって異なる場合が多い。トヨタモビリティの同じ法人でも下取り価格に差が生じ、これを実質的な値引きとしているので、店によって異なる場合もある。

 当然、各店舗の中古車部の在庫や評価度合が違うケースもある。2022年は年末までにキャンペーンを展開している系列店が多く、中古車の買い取り価格が上昇し、過走行の低年式車などでも5万~10万円の買い取り価格になるケースも珍しくない。

 またコロナ禍の影響で新車の納期が大幅に遅れ、代わりに中古車の購入希望が増え、タマ不足になり価格が5年落ちで20~30%も跳ね上がっている。これも実質的な新車値引きを加速させる要因になっている。

 各系列販売店のマージン幅はトヨタが最も多く、次いで日産、ホンダ、スバル、マツダ、三菱、ダイハツ、スズキの順になっているが、実際の購入交渉では必ずしもこの通りになっていない。交渉の仕方、下取り車の状況、次期、割賦購入の仕方などによって変わってくるからである。

 値引きが大きくなる時期についても2~3月の年度末決算期、6月のボーナス時期、9月の中間決算期、12月のボーナス商戦が挙げられるが、最も値引き額が大きくなるのは年度末決算期となる。こうした時期にはメーカーから報奨金が出るため、キャンペーンを展開し、値引き額が最大瞬間風速で出ることもある。

次ページは : ■値引きを上手に引き出すコツは?

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