あおり運転の被害が多く報道されるようになって久しいが、死亡事故にならずとも怖い思いをしたという報告が相次いでいる。
2018年12月14日には東名高速道路上での、あおり運転を起因とした死亡事故の判決が言い渡される。あんなに大きな衝撃を受ける事故だったにも関わらず、あおり運転の被害報告は減らない。
特にYouTubeなどではドライブレコーダーの発達もあり、あおり運転の被害を生々しく録画している映像が多い。もちろんあおる加害者が悪いのは言うまでもない。
しかしなかには「煽られる側にも被害を防ぐためにできることがある」と思う人もいるはず。
しつこく繰り返すがあおる人間が一番悪い。しかし今回は北海道で起きたあおり運転の被害状況から見る、「あおられない」ための運転方法に迫ります。
文:国沢光宏/写真:ベストカー、AdobeStock
ベストカー2018年12月26日号
■加害者と真正面から対立することを避けるのが優先
最近”あおり運転”が一般メディアで頻繁に取り上げられる。TVなどでコメントを求められることも少なくない。先日も「あおったドライバーを暴行容疑で逮捕した」という北海道のニュースに接した。
残念なのは一般メディアの大半が「あおられる原因」について取り上げないこと。どんな粗暴な輩でも、まったく関係ない車両に対し突如&徹底的にあおりまくるようなことはしないと思う。
乱暴モノのスイッチを入れるような行動があったハズ。大手メディアで「あおり運転をされた時の対応法は」と取り上げているが、粗暴者に絡まれてからじゃ基本的に遅い。
ドライブレコーダーの映像は証拠として有効ながら、取り返しがつかないケガを負ったり、精神的な障害を残すような状況になったらまったく意味なし。
人を殺したら死刑になるとわかっていたって、殺人事件はなくならない。犯罪と同じく、加害者に「止めろ!」と言うだけでなく、危険な状況にならないような啓発運動をすべきだと思う。
北海道の事件の動画を見ると被害者は片側2車線ある道路の追い越し車線を走行車線のクルマより遅い速度で走っていた。
被害者の後続車は後方から車間を詰めてきたのを見て、走行車線に避けている。この時点で早めに避けていれば「怖さ」を感じないですんだと思う。
けれど加害者との口論のなかで「ブレーキを踏んだ」と言われている。本当だとすれば、これで粗暴者のスイッチを入れてしまった。さらにタチの悪い輩だと口論ですまなかったかもしれない。
YouTubeなどの動画で「あおられた」と検索すると、あおられる前の状況はわからず。私の個人的な感想ながら、90%あおられる理由はあったと考える。
■車線変更時や追い越し車線走行時は周辺車両にも配慮を
誤解されるとイヤなので繰り返すが、あおられるほうに理由あってもあおる行為は絶対許されない。
スリが多い外国で、盗まれやすい場所に金目のモノを持っていたって、盗むヤツが間違いなく悪いのと同じ。あおられてイヤな思いをするより、あおられない運転をすべき。
怒りを売る運転さえしなければ、基本的にあおられることなどない。ということで怒りを買う運転を3つほど。ひとつめがノロノロ走行。
高速道路の追い越し車線を走り続けたり、一般道を普段の流れより遅い速度で走っていると、後続車をイライラさせる。
もちろんユックリ走りたいならどうぞ。でもその場合、後続車がいたら道を譲ってほしい。私はアダプティブクルコンをセットしてノンビリ構えるのでイラつきません。
ふたつ目は車線変更。本人が「問題ない」と判断しても、気が短い輩が「コノヤロウ!」と感じたらアウト。
3つ目は路地や駐車場やガソリンスタンドから道路に合流する際。これまた「コノヤロウ!」となる可能性大。車線変更や合流した時に後続車いたら、ハザードなどで謝意を表すことをすすめる。
また、前が詰まっている道路で車間詰めてくる本物の阿呆も希にいる。こらもう道を譲って先行車をあおらせておけばいい。やがて気が短いヤツをあおって殴られます。
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