■EUでは速度リミッターの義務化が進もうとしている
基本的に速度制限制御を実施していないと欧州車メーカーは、フェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、ベントレー、ロータス、ポルシェといった名だたるスポーツカーブランド。
速度無制限のアウトバーンでの走行性能を考慮するドイツ勢に関しては、たとえばBMWは全モデルにおいて「200~250km/h」。ドイツ系のメーカーではカテゴリーに関係なく、コンパクトクラスであっても同様の設定となるようだ。
一方、メルセデスAMGモデルについては「AMGドライバーズパッケージ」の名称で、250km/h→270km/h、300km/hに替えられるスピードリミッターの設定があるという。
スポーツドライビングは車両や走行状況を問わず、ドライバーの安全への意識のうえに成り立っている。自動車メーカーがどのようにユーザーに対して意識づけあるいは啓蒙するかは常に難しい課題に違いない。
自動車メーカーとして速度抑制制御について一歩踏み込んだのが、積極的に安全性向上に取り組んでいるボルボだ。同社は2020年5月に、2022年7月以降に販売するすべての新車に関して、180km/hのスピードリミットを設定することを明らかにした。
日本市場においては、2020年夏から秋にかけて発売した2021年モデルより、180㎞/hの最高速度制限が入っている。 このうち、2022年に追加発売したC40 Recharge Plus Single Motorと、XC40 Recharge Plus Single Motor (いずれも電気自動車)は、最高速度が160㎞/h制限されているという。
さらに車載カメラなどを利用した画像処理による標識認識システムやGPSなどのナビゲーションシステムなどを用いて、自動的に速度を抑制するASL(自動速度リミッター)、必要に応じて一時的な速度超過を許すオーバーライド機構、リミッターのON/OFF機能を備えるなど、ユーザーを機能に縛りつけることないような寛容さも与えているから、ユーザーが受け入れやすく配慮されている。
すでにEUでもボルボと同様の速度抑制装置の装着義務化が進んでいる。欧州委員会は2022年7月に速度抑制システム「インテリジェント・スピード・アシスタンス」(ISA)の新車時の装着義務づけを決定している。
機能としては、設定された制限速度を超えた場合、ブレーキ操作には介入せず、車速が設定値を下回るまで緩やかかつ段階的に制御するという。ISAが作動するとアクセルペダルが反応しなくなるが、オーバーライドを可能としてアクセルを強く踏めば加速できる設定としている。
もし制限速度を超えて運転し続けた場合、ISAシステムは警告音を発し、ディスプレイにも数秒間警告を表示する機能を持たせている。ちなみに制限速度や付随する機能の設定内容については、個々の自動車メーカーに委ねている。
忘れてはならないのは、速度リミッターが解除できても、自動車メーカーには厳密な耐久性の基準が存在しており、過度な負荷が加わった場合は保証の限りではないということだ。。性能を限界まで引き出すという欲望をかなえることは、ユーザーとして安全性を含めてリスクを背負うことを肝に銘じておきたい。
【画像ギャラリー】スピードリミッターはもちろん付けるけど……名だたるスポーツモデルのスピードメーター魅惑の目盛り!!(11枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方リミッター付けた理由は、当時、最高速度を爭うような表現が多く、しかも高速道路が延伸されそれに伴い、ドライバ-が速度超過事故が多く発生したため。
ギャラリー画像の中にR32GTRのコックピットと書いてあるのに写真がGTS-tの写真で笑った
サーキットを走る以外はリミッターがあっても全然問題はないだろう、裏を返せば無くても問題はないって事だろうね。
120km以上出す必要性は全くない、だすことは違法なのだから誤差を考慮しても130km出れば十分。一部の違法承知でスピードを出すドライバーに配慮する必要はない。なお、一般道区間では60kmが最高なのだから誤差考慮しても70kmでいいと思う。
ごく一部のユーザのためサーキット走行をでのリミッター解除ができるというメリットは希薄すぎると思う
確かにこの方が書かれているのは正論だと思います。しかし、もしそのような規制が行われていたとしたら、今頃日本の自動車メーカーは生き残ってはいなくて、全て外国車が占めていたでしょうね。