秋になって行楽シーズンを迎え、いろいろな祭りやイベントに出かける機会も増えてきたと感じるが、そんな中で乗客を会場まで運ぶ臨時バスに乗る機会も多くなるだろう。
今回はそんな通常とは違う三重交通の臨時バスに乗ったルポルタージュである。画像ギャラリーではネタ車を含めた波動輸送用車両を紹介しているので合わせてご覧いただきたい。
文/写真:東出真
編集:古川智規(バスマガジン編集部)
バスマガジン的F1観戦!
先日三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットにて「2022 F1 Honda日本グランプリ」が開催された。コロナの影響で中止が続いていたが今年3年ぶりの開催となり10月7日~9日の期間中合計20万人という来場者数を記録した。20万人を超えたのは2012年以来10年ぶりで多くの観客が鈴鹿サーキットを訪れたことになる。
鈴鹿サーキットまでは鉄道やバスで向かうことになるが近鉄電車で近鉄白子(しろこ)駅へ向かい、そこから直通臨時バスを利用した人も多かったのではと思う。 毎年近鉄白子駅からの直通臨時バスは三重県全域をカバーする三重交通が担当している。
この日に合わせて県内各営業所からバス車両が集結し、来場者の輸送を担っている。鈴鹿で北部や南部の営業所所属のバスが見れることはなく、また輸送に多くの車両を必要とするため普段見かけることのない車両が「ネタ車」に早変わりする。今回は筆者もF1を観戦したが、バスマガジン的なバス観戦レポートをお届けする。
乗車したのは決勝日である10月9日(日)。朝から曇り空という天候であったが、当日は雨の予報となっていたため雨具を手にした来場者の姿もちらほら見ることができた。
早朝の白子駅
早朝6時の白子駅。決勝日は臨時バスの運行は午前6時から始まるので、その時間から待機してバスを観察することとした。駅前の風景も普段のそれとは違ってカラフルな旗や「SUZUKA」の文字、そして規制された道路とこれからたくさんの観客を出迎える準備が整っていた。
ちなみにこの日は駅前商店街の道をバスのみ通行可としており、路上には三重交通のバスが並ぶ姿を見ることができた。観客はもちろん、近くの住民やホテルに宿泊しているレース関係者も通りすがりにこの風景を撮影していた。
ある程度バスを観察してから筆者も鈴鹿サーキットへ向かうために乗車することにした。バスに乗車するまでの流れはこうだ。