■「排ガス規制」に熱き思いの歴史あり忠義を尽くした技術話 あれこれ
排ガス規制に関わる技術で忠義を尽くしたネタを紹介しよう。
●殿が自分で困難を突破した珍しい? ケース ホンダエンジンCVCC
真っ先に浮かぶのがホンダのCVCC。1970年に施行されたアメリカの排ガス規制(マスキー法)をクリアするために、ホンダが独自の技術で開発に成功した排ガス対策エンジンだ。
ビッグ3ですら諦めていた排ガス規制値を東洋の小国の、しかも当時はやっと4輪車の製造に乗り出したばかりの名も知れぬメーカーがクリアしたのだから、世界中が驚いたことはいうまでもない。
これによりホンダの技術力が世界に広く知らしめられ、ホンダの企業力が底上げされた。で、殿に忠義を、というより殿(本田宗一郎)自身が殿(しんがり。殿だけに)を務め困難な道を突破した立身出世の物語でもあるのだった。
●変わらぬ忠義の心とスピリットが世界への道を切り拓く マツダ SKYACTIV技術の開発
日本におけるディーゼルの排ガス規制に機敏に対応したのがマツダだった。前処理なしで厳しい排ガス規制をクリアしたクリーンディーゼルを実用化したSKYACTIV技術は、マツダの技術力を世界にアピールすることとなった。
歴史を振り返っても、マツダは独自のエンジン技術に積極的で、1960年代終盤~1970年代にかけてはロータリーのマツダとして名を馳せ、1990年代にはいち早くミラーサイクルエンジンやプレッシャーウェーブディーゼルエンジンなどにトライするなど意欲的だったが、独創的ゆえに失敗も多かった。
ディーゼルの排ガス規制の一件は、常に時代の先端を目指しながらも悔しい思いを重ねてきたマツダ開発陣が忠義の心がついに日の目を見た瞬間と言えるだろう。さぞかし殿への良い報告ができたことだろう。天晴れでござる。
■プラットフォーム共有化 コスト削減で忠義を尽くす
世界的なプラットフォーム共有化の流れ。これこそ、設計や生産コストの削減に大きく貢献し、殿(自動車メーカー)に利益をもたらす策のひとつと言っていい。
そんな、自分の殿に“忠義を尽くすプラットフォーム”の事例、日本では特に小型車のプラットフォーム共有が進んでおり、目立つのはやはりラインアップ数の多いトヨタ。例えば、初代ヴィッツのNBCプラットフォームは、ほかのFF車にも多彩に使われている。
いくつか挙げてみると……、プラッツ、ファンカーゴ、WiLL Vi、WiLLサイファ、初代bB、初代ist、シエンタ、初代プロボックス/サクシード、MR-S、ヴィオス(東南アジア市場向け専売車種)……など、全13車種に及ぶ。
いやぁ~、貢献しまくり、忠義を尽くしまくり。もっとも、世界No.1企業となるにはこれくらいの効率化も必要なのかもしれない。
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