【ジムニー、スペーシア…】落選車から選ぶ個性派揃いの“今年の車” 10ベスト

「ジムニーに次いで光ったのはN-VAN」/諸星陽一

N-VAN(2018年7月発売、写真左)※商用車のため対象外

私はCOTYを選ぶ際、「その年を代表するクルマ」を選んでいる。10年後、20年後にあの年はどんなクルマがデビューしたのだっけ? と思い出せることを重視する。

ということは、間違いなく今年はスズキ・ジムニー&ジムニーシエラなのだ。これは揺るぎないだろう。ジムニーの存在は非常に大きなもので、このクルマがCOTYを辞退したことは非常に悲しい出来事といえる。

20年ぶりのフルモデルチェンジでありながら、まったくぶれることなく、我が道を歩む姿勢はクルマ好きにはたまらない魅力を放っていた。

そして次点はN-VANだ。N-VANは商用車だが、その商用車らしさを生かして素晴らしいユーティリティ性を実現した。かつて、軽自動車は商用車が税制面などで有利だった時代があった。軽ボンバン(ボンネットバン)が隆盛だったのだ。

商用なので後席が狭いなどの制約があったが、税金が安いなら仕方ないという割り切りができた。今の軽自動車も税制で有利面があるなら、もう一度商用がメインになってもいいと感じる。

この2台が2018年を代表するクルマであることは間違いない。

■諸星陽一氏の配点

「スペーシア筆頭に軽の時代を象徴」/渡辺陽一郎

スペーシア(2017年12月発売)※スズキが選考を辞退

1位はスペーシアだ。軽量化を徹底させて燃費と動力性能が優れ、内外装はスーツケースをモチーフにデザインした。標準ボディにはN-BOXやタントとは違う個性がある。

そして、スペーシアは軽自動車だから、日本の使用環境に焦点を絞って開発された。車内が広く、安全装備も進化したので、クルマのある日本の生活を従来以上に安全かつ便利にしてくれる。

2位のジムニーは、スペーシアと同じ考え方で、積雪地域など悪路を走るユーザーの生活を支える。小さなボディは、狭く曲がりくねった日本の林道や雪道に最適だ。走破力はSUVのなかでも最強で、舗装路の走行性能や安全性も大幅に向上させた。

3位は軽商用車のN-VANで、選んだ理由はスペーシアやジムニーと同様だ。日本で安全かつ便利に使えることをテーマに据えながら、用途をビジネスに絞った。開発費用や市場規模を考えると、もはやアクティバンのような独自の開発はできず、N-BOXをベースにした。

従って荷室長は短くなったが、運転席以外はすべて平らな荷室に変更できる。左側はピラー(柱)をドアに内蔵してワイドな開口幅が得られる。以上の3車種はすべて優れた商品で「軽自動車の時代」を象徴する。

輸入車ではボルボV60に注目したい。今はSUVばかり話題になるが、V60は外観が美しく内装も上質なワゴンだ。後席や荷室も広く、実用性も高い。

メガーヌR.S.は、高性能車なのに挙動の変化を楽しめる余地が広い。このように定番の売れ筋車種以外にも、高い価値を見い出せるのが今年の輸入車の特徴だ。

■渡辺陽一郎氏の配点

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