「中古車を買ったが、納車後すぐ壊れた」というのはよく聞く話。しかし「刑事の捜査手法」を参考に“タマ選び”を行えば、極上中古車を探し当てるのは意外と簡単なものだったりする。具体的な“捜査手法”をお教えしよう! 題して「極上中古車捜査本部24時」! 第1弾の本稿では、新車登録からの年数によって変わる中古車の「見るべきポイント」を伝授!
※本稿は2022年9月のものです
文/伊達軍曹、写真/AdobeStock(トップ画像=xiaosan@AdobeStock)、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年10月10日号
■1年落ちと5年落ちで「捜査範囲」は異なるもの
コソ泥を相手に県警をあげての捜査本部を立ち上げる必要はなく、逆に重大事件ともなれば、県境をまたいでの一大捜査本部を設置しなければならないだろう。
中古車選びを始める際も、まずはじめに「ヤマ(事件=買いたい中古車)のシリアス度」を確認し、それに見合った捜査体制を敷くのが、合理的となる。
極端な話、1年落ち以内で走行数千kmの中古車なんてものは新車とほぼ変わらない。
「キズはないか?」「クサくないか?」「修復歴はないか?」といった、軽度の捜査を行うぐらいで充分。悪徳店で買っても死にはしない。
しかし容疑者(中古車)というのは新車登録から3年ないし3万kmを超えたあたりから素行(状態)に若干のばらつきが出始める。
7万kmあたりで機械部分やゴム部分などのコンディションに決定的な違いが生じてくる。
いや近年のクルマにはコンピュータが大量に使用されているため、最初の山場は7万km前後ではなく5万km前後である可能性もある。
そういった年代の容疑者に対しては、それなりに慎重な捜査が必要になることは言うまでもない。
何をどう捜査すべきなのか? という「捜査会議」を事前に(脳内で)行わなければならないのだ。
走行10万km超の容疑者(中古車)に対してもこれと同様のことを行うわけだが、20年落ち以上の“容疑者”ともなると、それとはまったく違うアプローチ方法を検討しなければならない。
20年落ちのクルマに対して、例えば走行距離を捜査の指針とするのはナンセンスであり、よく言われる「法定点検時に記載される整備記録簿の有無」もアテにならない。
記録簿なんてものはとっくに紛失されていたり、あったとしても、記載すべきページはとっくの昔に埋まっていたりするからだ。
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