■ブレーキフィールを改善し、さらに軽量化してコストも下げた!?
当然ながら改良を繰り返し、今やほとんど違和感はなくなった。けれど、トヨタの開発陣は「もっといいブレーキフィール」を目指したそうな。そんな流れで新型シエンタから採用されたのが、新世代の電動油圧ポンプ直接式の協調回生ブレーキシステムである。
今まで油圧ブレーキ系は蓄圧タンク(アキュームレーターと呼ばれる)に貯めた油圧をバルブの開閉で制御していた。
高い油圧をバルブ操作で開くため、どうしても油圧のかけ始めが唐突になりがちだった(油圧ゼロからピクンと立ち上がる)。長年に渡って改良してきたものの、敏感なドライバーだと感じ取ってしまう。
そこで新型シエンタは蓄圧タンク式を止め、油圧ブレーキ系の油圧を直接電動ポンプで作り出す。これだとモーターの油圧はゼロから始まるため、超滑らかに立ち上がります。
新型シエンタや新型クラウンのハイブリッド車に乗ると、ふつうのエンジン車に勝るとも劣らないブレーキフィールを実現している。これ、新しいブレーキシステムを採用しているからにほかならない。
ここまで読んで「電気系のトラブルでモーターに電力止まったら止まれないのでは?」と想定する「ブレーキのメカニズムに詳しい読者諸兄」もいることだろう。気になったので聞いてみました。
すると、「電気系のトラブルは当然あるかもしれません。そこで独自の電気系統を設定し、電力を供給するためのキャパシタも組み込んでいます」とのこと。トヨタらしいですね、と思ったのは「蓄圧器は高価で重いです。新しいブレーキシステムだと軽量化しながらコストダウンできるし何よりブレーキフィールもよくなります」。
新型シエンタと新型クラウンに乗ったらぜひ味見していただきたい。
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