一元管理によりひとりで複数のバスを同時監視できるのが魅力的
遠隔地で車両の状態監視や走行指示を行うのだが、管理者ひとりが1台というのではなく、複数の台数を同時監視できるのが特徴のひとつ。
ずっとバスの運行をウォッチしているのではなく、車両からアラート情報が入った時に何が起こったのか確認し対処するので、管理者ひとりで複数の車両を同時監視することができるのである。
多くの車種に共通フォーマットで対応することで現場負担も軽減
旅客車両では出庫時の車両点検も重要な業務のひとつ。毎朝オペレーターがスマートフォンにあるチェック項目をチェックし、そのデータが運行管理センターでもモニターすることで、ダブルチェックを可能としている。
システムについては、車両ごとに操作や画面内容などが異なることなく多くの車種で共通化されている。
バス周囲走る一般車両が穏やかな運転になった?
利根川沿いにあり、かつては河川舟運で栄えたのが茨城県境町。人口は約2・4万人となるが、手厚い住民サービスが充実し、その一部として2020年11月26日より、自動運転バスが“日常の足”として街なかを走る国内初の自治体となった。
境町には鉄道の駅がなく、路線バスが町民の生活移動手段として欠かせない存在。しかし、運転士の確保がままならず路線廃止も目立つのは境町だけの問題ではないのがいまの日本の実状。そこで、全国各地で実証実験を行っていたボードリーに“白羽の矢”が立ち、国内初の定常運行実現となった。
バス停で待っていると、想像していたよりも速い印象でバスが到着した。定員は11名だがオペレーターが乗車するので、乗客は10名となり立ち席乗車はできず全員着席することになる。
バスは時刻通りに発車、信号はすべて停車するようになっており、オペレーターが青を確認するとマニュアル操作でそのまま進行するとのこと(本年度中に信号機と通信をして灯色に応じて走行や停止も自動化されるとのこと)。
しばらく交通量の少ないのどかな風景のなかを走るのだが、やがて境町のメインストリートともいうべき、両脇に住宅が立ち並ぶやや狭い市街地の道路を走りだす。当然自動運転バスより速度の速い一般車両が自動運転バスに合わせて後続することもあるのだが、無理な追い越しもせず後をついてきていた。
「何か裏付けがあるわけではないですが、地元の人からはこの自動運転バスが走り出してから、一般車両の運転が穏やかになったという話も聞いております」(改發氏)というから、思わぬ“副産物”ともいえるだろう。
基本は町民の町内移動手段という位置づけのようだが、道の駅にも停車するので、道の駅に立ち寄った町外からの観光客が自動運転バスを利用して町内観光するといったニーズもあるとのことだった。その様子はいまのバス業界の抱えるさまざまな閉塞感に風穴を開ける存在のように見えた。
複雑な市街地道路を走るところに旺盛なチャレンジ精神を感じた
実際境町にくるまでは、「おそらくひとも少ない道路環境の良い場所を走るのだろう」と思っていたが、実際乗車してみると古い街並みが両側に広がる狭い市街地道路を自動運転バスが走り出した。
なかなかチャレンジングだなあと思うとともに、システムに自信があるのだろうと感じた。
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