モモにナルディ……どうして昭和人はハンドル替えたがり勢が多かった!?

■90年代に再ブーム!? もう一回盛り上がったワケって

日産 スカイライン(R33)のステアリング。3本スポークのスポーティなものが標準装備されることも珍しくなくなった
日産 スカイライン(R33)のステアリング。3本スポークのスポーティなものが標準装備されることも珍しくなくなった

 90年代に入ると純正ステアリングのデザインもかなり向上し、スポーツカーには3本スポークのスポーティなものが標準装備されることも珍しくなくなってきた。しかし、ここで再びクルマ好きがステアリングを交換したくなる事案が発生する。それが90年代半ばから標準装備化が進んだエアバッグである。

 事故が起きた際に瞬時に膨らみ、ドライバーを守ってくれるエアバッグの装着は歓迎したいアイテムだったが、その一方でエアバッグ付の車両のステアリングは再び野暮ったいデザインに舞い戻ってしまったのである。

 こちらも例を挙げるとR33型のスカイラインGT-R(前期型)では、エアバッグレスの仕様では3本スポークのステアリングが標準装備となっていた。その一方で、エアバッグ付とすると、同時期のマーチと同形状の4本スポークの実用車っぽいデザインのものとなってしまっていたのだった。

日産 スカイライン(R33)のエアバッグを装備したステアリング。4本スポークでもっちりとしたデザイン。当時の技術的にはエアバッグの小型化にも限界があった
日産 スカイライン(R33)のエアバッグを装備したステアリング。4本スポークでもっちりとしたデザイン。当時の技術的にはエアバッグの小型化にも限界があった

 また当時はエアバッグの本体も今ほど小型化がなされていなかったこともあって、エアバッグ付のステアリングは再び大径となってしまったことや、大きく重いエアバッグ一式がステアリングに備わることでステアリング自体の重量が増加し、軽快なステアリング操作がスポイルされると感じるユーザーが多かったのも再びステアリング交換の需要が高まった一因と言えるだろう。

 このようにさまざまな理由で交換されることが多かった純正ステアリング。現在では冒頭にもお伝えしたように、純正ステアリングにさまざまな機能が集約されている点や、ステアリングヒーターなどの快適装備が備わる車種も増えてきたことによって、ステアリング交換という行為自体が下火になってしまっているのは間違いないところ。

 とはいえ、今でも自分に合ったステアリングでドライブを楽しみたいと考えるユーザーも一定数おり、クルマを乗り換えてもステアリングだけは引き継いでいるというツワモノも存在しているほどなのだ。

【画像ギャラリー】交換する人は今でも存在する!! 現代のクルマのステアリング事情(8枚)画像ギャラリー

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