■本命モデルは果たして……フェアレディZが有力か
そうなってくると、BEVとしての選考モデルがない、日本車が北米COTYを獲得する可能性が高まってくるといえるだろう。
そのなかでの最有力候補は、やはり「フェアレディZ」である。
アメリカでは1970年代前半に登場し、「Z(ジィー)カー」として広い世代に愛されてきたことは、日本でも広く知られているところだ。
当時のアメ車スポーツカーと比べると、ボディサイズが小さく、デザインが洗練されており、走行性能が高く、それでいて価格がリーズナブルだったことが初代Z(S30)が大ヒットした理由だと日産は分析している。
その後、フェアレディZは進化し、最新モデルでは「グローバル販売の8割以上、9割近くが北米市場向け」(日産開発者)というのが実状であり、商品企画の過程では当然、アメリカのZユーザーの声を重視してきた。
となれば当然、フェアレディZが北米COTY受賞の期待は日産のみならず、Zユーザーの間でも高まっているところだ。
■WRX、GRカローラ、もしやクラウンの可能性も……!?
また、スバル「WRX」、またはトヨタ「GRカローラ」という可能性もあり得るのではないだろうか。
フェアレディZに比べれば当然、走りが尖った本格的なパフォーマンスカーという位置づけだが、前述のようにBEV化を模索する動きが北米で広がるなか、こうしたパフォーマンスカーの北米COTY受賞は、それそろ”ラストチャンス”になるかもしれないからだ。
さらに、大どんでん返しとして「クラウン」がある。
50年ぶりに北米市場に復活という話題性に加えて、クルマのセグメントとしてみると、北米市場の主体が近年、C/DセグメントセダンからミッドサイズSUV、さらにコンパクトSUVに大きくシフトしているなかで、新種のクロスオーバーという新たなる領域を切り開くという開拓者精神を称えて、クラウンの北米COTYという芽もゼロではないのではないだろうか。
また、日本では未発売になりそうなインテグラの存在価値は、1990年代末にアメリカで巻き起こったジャパニーズ改造車ブームを起点とする。アメリカでの新たなるクルマカルチャーを創ったという観点では10候補に選ばれたことは意味深い。
以上、あくまでも私見により北米COTYの行方を占ってみた。
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