■走行モードにラリーとオフロードの2つを設定
車高はスタンダードの911よりも50mm高くなる。グラベルを想定してのセッティングだ。しかも、高さが足りない時はさらに30mm上げられる専用のリフトシステムが搭載されるから本格的。
また、ドライブモードはグラベル、マッド、ウェットグラスに対応するラリーモードと、砂漠などを走る用のオフロードモードが用意される。それと、SSでのスタートに失敗しないラリーローンチコントロールも付いているから完璧だ。いやはやおみごと。格好だけでなく、中身までかなり徹底的に研究されている。
面白いのは、当時のカラーリングに近いものが選べること。ブルーとホワイトのボディカラーをベースにゴールドとレッドのストライプをまとったスタイルがカタログに載るのだ。しかもホイールまでホワイト。まさに1984年の953を思い起こさせる。
ゼッケンナンバーを好きな数字にできるというが、そこは悩みそうだ。エンジンは3L水平対向6気筒で最高出力は480ps。トランスミッションは8速PDKで駆動方式は当然4WDとなる。
ただ、最高速度は時速240キロに制限される。トレッドパターンのゴツゴツしたオールテレインタイヤを履くからだ。ピレリのスコーピオンと911の組み合わせなんて実に“オツ”である。
現在、ポルシェジャパンでは価格未定となるが、すでにオーダーはたくさん入っていることだろう。1980年代のラリーシーンを知る大人のハートにググッと刺さるのは言うまでもない。世界限定2500台は狭き門だ。
■ハイパフォーマンス系の車高アップモデルはトレンドになるのか?
こんなニュースを聞くと、2020年に少しだけ話題となった現行R35型GT-Rをオフロード仕様にしたGT-Rオフロードモデル、「ゴジラ2.0」を思い出す。オランダのカスタムメーカーが発表したそのモデルはよくできている。
車高の上がり方も悪くないし、迷彩色とボルトオンタイプのオーバーフェンダー、それとLEDフォグランプの組み合わせはとても自然にマッチしている。完成度の高さからメーカーのコンセプトモデルと言われても信じそうだ。
なんてトレンドを鑑みると、スポーツカー、特にハイパフォーマンス系の車高を上げたモデルが今後のトレンドに思えなくもないが、そうはならないだろう。これらはSUVに飽きた世界の富裕層に向けたひとつの提案であり、遊び心からくるものだ。
ただ、世界中のオフロードコースを走ってきた身からして、個人的には好きだし、そんなトレンドが巻き起こって欲しい気もする。SUVとは異なる観点の背の高いイタリアのスーパーカーってのも見てみたいしね。
ポルシェ911ダカールが何かのきっかけになるのかはわからない。もしかしてグループB復活? う〜ん、今後の動向が気になる。
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