国内市場は「5ナンバー車が最良」!? 今、当たり前の3ナンバー車の立ち位置とは?

■日本自動車メーカーはもっと「日本のニーズ」を考えたクルマを!!

タントのミラクルオープンドアは、左側の中央に装置されたピラー(柱)をスライドドアに内蔵させ、ベビーカー、荷物を乗せやすい。日本のユーザーに特化したクルマとなっている
タントのミラクルオープンドアは、左側の中央に装置されたピラー(柱)をスライドドアに内蔵させ、ベビーカー、荷物を乗せやすい。日本のユーザーに特化したクルマとなっている

 最もわかりやすいのは軽自動車で、日本のユーザーの生活を見据えて開発される。例えばタントは、左側の中央に装着されたピラー(柱)をスライドドアに内蔵させ、前後のドアを両方ともに開くと開口幅が1490mmに達する。

 雨天時などは、ベビーカーを抱えた状態で車内に乗り込める。運転席には540mmのロングスライド機能も用意され、親が子供をベビーカーに座らせたあと、降車せずに運転席へ移動できる。このような導線に配慮したクルマ作りは、海外を重視した「日本はオマケ」の3ナンバー車には絶対に見られない。

 また、フィットのようなコンパクトカーは海外でも売られるが、3ナンバーサイズのセダンに比べて国内販売比率が高い。従って日本のユーザーを意識した開発も行われている。フィットの開発者は「日本のニーズを考えたシートアレンジは、海外のお客様にも好評だ」という。

 海外のユーザーが日本車を買うときに、自国のクルマとは違う個性を求めるのは当然で、フィットのシートアレンジも、欧州車とは違う日本車の凝った機能として注目されるわけだ。

 一番大切なことは「誰に向けてクルマを造るか」だ。ノア&ヴォクシーのように、日本のユーザーを見据えて開発すれば、3ナンバー車でも優れた商品に仕上がって売れゆきも伸ばせる。問題なのは3ナンバー車が「日本でも買える海外向けの商品」に多いことだ。

 クラウンは以前から3ナンバー車だったが、日本向けに開発されていた。それが今後は、伝統的な車名を存続させるために、海外でも販売できるクルマ造りを行う。車種も増やしてクラウンをシリーズ化する。「日本でも買える海外向けの商品」に陥る危うさが感じられ、万一そうなれば、クラウンを残した価値も薄れてしまう。

 日本のユーザーに向けて開発するからこそ、クラウンの価値がある。クラウンは「日本車とは何か」を問い掛けている。それは軽自動車や5ナンバー車を改めて考えることにも通じる。

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