ハイブリッドのみ! 弱点は「価格」の高さ
その半面、弱点は「価格の高さ」だ。日産のマーケティング担当者によると、エクストレイルのようなL/Mクラスを購入するユーザーの年齢層は、ここ10年で40代以上の比率が増加(66%→75%)しているという。
また、このセグメントの購入価格帯も350万円以上が過半数を占め、「タフさ(走破性)」だけでなく「上質さ」が、さらに求められる傾向があるそうだ。
初代エクストレイルを当時、20代で購入した世代は、現在40代。体力にはまだ自信があり、若いころよりも懐に余裕が出て、目が肥えてより上質なクルマを求めるようになっている、ということなのだろう。
新型エクストレイルは、そのニーズにぴったりとあてはまるモデルに価格設定した、ということだと思われるが、とはいえ、ガソリン車がなく全グレードがハイブリッド車、かつ、4WDの最低価格が税込347万円(S e-4ORCE)というのはちょっと高い。
RAV4は4WDガソリンが税込316万円から、ハリアーも4WDガソリンが税込332万円から販売されており、これに対応するグレードがないことは、新型エクストレイルの大きな弱点だ。
海外市場で販売する、VCターボのガソリン車を出してほしいと思うが、「電動化戦略」を進めたい国内日産としては、新型エクストレイルに「あえて」出さないという判断をしたという。
先日登場した新型セレナでは、「(廉価な)ガソリン車を望むお客様の声が多い」として、ガソリン車を残していることを考えると、「国内は全車電動車(e-POWERとBEV)にこだわる」という姿勢ではなく、二枚舌とも思える点は、いまいち腑に落ちないところでもある。
ミドルグレードのX e-4ORCE以上を狙いたい
ただ、クルマの完成度は高く、コストパフォーマンスは非常に高い。新型エクストレイルの売れ筋はミドルグレードの「X e-4ORCE」(税込379万円)と予測されるが、先代ハイブリッドよりも(価格も少々上がってはいるが)装備はワンランク以上、上級移行している。
上級グレードの「G e-4ORCE」(税込449万円)となれば、ワンランク上の贅沢な内装も備わり、そうとう優雅なSUVとなるが、価格も大きく跳ね上がってしまう。
プロパイロットと12.3インチのセンターディスプレイ(エントリーグレードのSは7インチサイズ)が備わるのはXグレード以上であることを考えれば、新型エクストレイルの「旨味」を味わうには、X以上が適切だろう。なおX e-4ORCEには3列シート車も設定がある。
個人的には、シリーズで唯一20インチホイールを装着した、エクストレイルAUTECH e-4ORCE(446万円)をお勧めしたい。装備の中身は「X e-4ORCE」相当で、エクステリアとインテリアには、AUTECHならではのブルーを基調とした加飾が広く加えられており、特別感を味わうことができる。
■まとめ
心配される納期だが、とある日産ディーラーによると、在庫車であれば比較的早く手に入るかもしれないが、新規発注となると、一年待ちは覚悟する必要があるそうだ。
こればかりはどうしようもないところだが、ヴェゼルやハリアー、RAV4、カローラクロスの納期状況を見ても、明るい話題は一切ない。状況が好転するのを待つしかないようだ。
ドラマ「相棒」にはこれまで、シルフィやティアナ、R35型GT-Rやフィガロ、スカイラインなど、日産車が多く登場している。シーズン21では、アリアやサクラ、新型フェアレディZなどの登場はあるのか!??
今後の「相棒」からも目が離せない。
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