■海外専売車が日本で発売できないワケ
ここまで上げてきた5台の海外専売車以外にも、魅力的なクルマは数多くある。ピックアップトラックや大型SUV等、海外市場で大きな需要があり、特別な思いの詰まったクルマが多いのだ。
しかし、魅力的な海外専売車が日本に導入されることはまれだ。その理由はさまざまある。
現在のラインナップに被るから、大きすぎて使いにくい(人気が出ない)、日本の流行にのっていないからなど、挙げれば枚挙にいとまがない。
そのうえ、世界と比較して日本の自動車市場は毎年のように縮小傾向にある。今や国内自動車メーカーの軸足は、おおかた海外にあり、日本市場が販売の中心ではない。
よく売れる海外市場では、地域や文化、これまでの趣味嗜好に特化した専売車作ることができる。コストをかけてつくり、そのコストに見合った販売ができるためだ。
しかし、海外専売車を日本仕様や日本の規制に合わせて作り込むことは大きなコストとなる。今の日本市場に、そこまで大きなコストをかけるだけの意味があるのか。悲しいが、その意味は非常に小さいと言わざるを得ない。
海外専売車はこの20年で非常に多くなった。軒並み元気な北米や東南アジア、そして中国に向けたものが多い。この状況を見ていると、日本市場への危機感を大きく感じてしまう。
世界から取り残されないように、今一度、日本の自動車を見つめ直す必要がある。我々自動車メディアに関わる者はもちろん、読者・自動車ユーザーの皆さんも一緒に、日本が世界の自動車文化の中心に戻れるよう、日本のクルマを盛り上げていこう。
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