■2車には「乗用車感覚」と「トラック感覚」の違いがある
シートの造りは両車とも似ているが、ハイゼットトラックジャンボは座面の奥行がスーパーキャリイよりも長く、肩まわりのサポート性も良い。
ハンドルの角度も、ハイゼットトラックジャンボが乗用車感覚だ。スーパーキャリイのハンドルは、角度が寝かされてトラック的になる。
このように居住空間が広いのはスーパーキャリイでも、シートの座り心地と運転姿勢は、ハイゼットトラックジャンボが乗用車に近い。
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シートの硬さやハンドル位置などはハイゼットジャンボに軍配があがるという。もちろん好みの問題もあるがきっちり試乗をしてほしい
乗降性はスーパーキャリイがスムーズだ。ドア開口部の前側とタイヤが収まるホイールハウスの間隔が広く、乗降時に足が通りやすい。
農家が使う軽トラックでは、安全面に問題があるものの、長靴で運転する機会が多い。そこでキャリイとスーパーキャリイは、乗降時の足の取りまわし性に気を使った。
乗り心地はハイゼットトラックジャンボが少し快適で、スーパーキャリイは少し硬い。
その半面、ハイゼットトラックジャンボは操舵に対する反応が緩慢だが、スーパーキャリイは機敏で乗用車的だから、曲がりくねった狭い道や駐車場で運転しやすい。
動力性能は、実用回転域の駆動力が高いスーパーキャリイが勝る。日常的な加速力を左右する最大トルクも、スーパーキャリイは6.4kgm(3500回転)、ハイゼットトラックジャンボは6.1kgm(4000回転)と差があり、車両重量もスーパーキャリイが若干軽い。
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どちらかというとトラック感覚が強いスーパーキャリイ。運転姿勢などは明確にキャラクターがわかれているようにも感じる
以上のように、両車とも標準ボディに比べると居住性が快適だが、ハイゼットトラックジャンボはこの傾向がさらに強い。
シートの座り心地や乗り心地が優れている。対するスーパーキャリイは、動力性能、走行安定性、操舵感など、走りに重点を置いた。
そして軽トラックは実用重視だが、スーパーキャリイとハイゼットトラックジャンボでは、ヘッドレストを最適化することで安全性を高め、幅広い体格のドライバーにも対応している。
この2車種を運転すると、軽トラックの標準ボディが抱える問題点と、その解決策も見えてくる。
スーパーキャリイとハイゼットトラックジャンボは、今は派生モデルの扱いだが、もっと本格的に普及しても良い仕様だろう。
【ジャンボ軽トラック主要諸元(比較対象:ハイゼットトラック)】
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