溝残ってても交換てマジか!? 「タイヤ5年交換説」の根拠っていったいどこにあんのよ!

■「残り溝1.6mmまでOK」ってホント??

これはスリップサインなので論外だが、街乗りメインなら1.6mmでも問題なしだと筆者は指摘。ただ、雨の日に高速に乗るなら3mmで交換するのがベターとのこと(Kumi@AdobeStock)
これはスリップサインなので論外だが、街乗りメインなら1.6mmでも問題なしだと筆者は指摘。ただ、雨の日に高速に乗るなら3mmで交換するのがベターとのこと(Kumi@AdobeStock)

 本当であって、本当ではありません。街乗りメインならばあまり問題ありませんが、雨の日の高速ドライブもあり得るならば、せいぜい3mmくらいで交換したいところです。

 理由は、ハイドロプレーニング現象(ハイプレ)がいとも簡単に起こるから。

 例えば、高速道路を時速80kmで走っていて大雨になり、視界が悪く目の前の渋滞に遅れて気づき、ブレーキを思い切り踏み急停止しようとした時を仮定します。最近主流の粗い透水性舗装ならいいですが、昔ながらの平滑な水がたまりやすい路面で、水深2mmくらいの場合。

 新品バリ溝(7~10mm)のタイヤならば30mくらいで止まれて事なきを得ますが、スリップサイン1.6mmだと確実にハイプレを起こし、倍の60mくらいの停止距離になって止まらず追突してしまいます。そもそも水深のある路面に入った瞬間にブレーキを踏まずともわずかな横Gで吹っ飛んだりします。

 なので、高速道路を雨の中も走る可能性が少しでもあるならば、残溝3mmくらいで交換して欲しい。安全のためには最も大事。

■タイヤの表面のヒビ割れ、大ヒビは交換!

タイヤ表面のヒビについては小さなものについては問題なしだが、それが進展して大きなヒビになってしまった場合に問題となる(chihana@AdobeStock)
タイヤ表面のヒビについては小さなものについては問題なしだが、それが進展して大きなヒビになってしまった場合に問題となる(chihana@AdobeStock)

 小じわのような小さなヒビは大丈夫。大きなヒビは交換しましょう。

 小さなヒビはトレッドブロックの根本ら辺とショルダー部に、サイドウォールならば模様や文字の周辺など、製造時の残留応力の発生しやすい場所や走行時に変形しやすい箇所に発生します。ぶっちゃけ、小さなヒビは表面のみで深くはないのでまったく問題ありません。

 しかし、それが進展して深く大きなヒビになったら話が変わります。

 トレッドなら金属ベルト、サイドならばプライカーカスなどの内部構造にまでヒビが達してしまうと、ゴムとの隙間に水が入り込んで構造材との接着が弱くなり、走行中にゴムが剥がれたり、内部構造が腐食して突然のバーストに繋がります。

 大きなヒビは即交換! ぜひ徹底を。

■ゴムの硬さ、タイヤの白さ

まずは自分の愛車のタイヤを触ってみることが大事。表面の硬さや表面の白さが明確な場合はゴムの劣化が確実だという(norikko@AdobeStock)
まずは自分の愛車のタイヤを触ってみることが大事。表面の硬さや表面の白さが明確な場合はゴムの劣化が確実だという(norikko@AdobeStock)

 一般的に、タイヤを触ってみて表面が硬いなーとか、タイヤの表面がうっすら白くなってるなーと思ったら、ゴムが劣化しており、交換する目安になります。

 しかし、溝は減ってないし細かなヒビ割れも全然ない場合は、単純に最近走ってないのでごく表面のみ、薄ーく劣化しているだけ、という場合もあります。この場合は実際に装着して走行することで表面の柔らかさが戻るケースもあります。

 タイヤゴムは暑さや風雨、太陽の紫外線にさらされることで表面から劣化していきます。しかし、ゴムには劣化防止材が練り込んであり、走行してゴムが”揉まれる”ことで、この劣化防止剤が常に表面ににじみ出てくるようになっています。

 なので、走り続けることで常に表面に劣化防止剤が出てくる状態になるのです。クルマ本体と同じく、タイヤも動かないまま悪環境で放置されることが最も劣化に繋がるのです。

 逆に言うと、いくら走行し続けようが内部の劣化防止剤が完全に枯渇しているようなカチカチの古タイヤは……交換しましょう。ゴムの柔らかさ=グリップ。硬いタイヤはグリップしません。

次ページは : ■表面の凸出っ張り(ピンチカット)、エグレ傷

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