全国的には無名でもご近所ではそこそこ有名……。そんな、今でいう“映えない”んじゃないか? ってなスポットに、稀代のコラムニスト カーツ佐藤が無理矢理スポットライトを当ててまいります……(第17回)。
※本稿は2022年12月のものです
文/カーツ佐藤、写真/Adobestock、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年1月26日号
■東京五輪を自虐風刺!!
東京の新国立競技場のすぐ横に、「オマエは自虐的ブラックジョークか!?」っていう物が設置されておりました!
東京オリンピック/パラリンピックが開催されたことを記念して、2021年の12月にできたらしいんですが、これがなにかといいますと『金の郵便ポスト』!!
いや~別に何作ってもいいけどさ、あの五輪って、裏金まみれ、献金まみれ、談合まみれだったことが白日の下にさらされてるワケじゃない。
「それを記念して作りました」のが、金色の郵便ポスト! って、明治時代のポンチ画の社会風刺じゃないんだから。
まぁそこまで裏金まみれだったってことが発覚する前に作っちゃったんでしょうが、作った人も、今になって
「ちょっとまずった……」
って、絶対思っているんじゃないすか。
まぁとりあえず見に行ってまいりました。
場所は新国立競技場の敷地内の北側。
神宮外苑アイススケート場に面したところにあるんすが、行けばすぐわかりますよ、もう金ピカに光り輝いてますから。
実は、金色の郵便ポストは全国に多数ある。
東京オリンピック/パラリンピックの日本人金メダリストの栄光を讃えるために、その選手に縁のある場所にもゴールドポストというのが全国に79カ所(2022年5月25日現在)設置されている。
でも、そちらのポストは、金色といっても艶消しの落ち着いた色調で、アスリートらしい謙虚さが現われているんですね。
ところが! この個別アスリートとは関係ない、大会全体を記念したポストは、まったくもって謙虚さゼロのギラギラゴールド!
メダリストが艶消し金塗装ならば、こっちは艶増し金塗装なんじゃないかってくらいですよ。
見に行った時なんか、西日が反射して、目が潰れるかと思ったもん。
そんな失明の危険を冒して、薄目でポスト表面をよく見れば、塗装が艶増しなだけに、光を受けると乱反射してギラギラ倍増するかのような模様までが描かれている。
その品のない光り方!
下品といいますか、金満なムードもここに極まれりって感じで、光り輝いております。
ポストの横にはこんな説明文が書いてありました。
『(前略)東京2020大会が、コロナ禍で延期された中にもあきらめず前進し続けた選手・指導者・関係者の挑戦を讃えています』
あ~問題は、ここに書かれている『関係者』の一部の人ですね。挑戦するにもほどがあるわ!
早く見に行ったほうがいいよ。もしかして撤去されるかもしんないから。
●『金の郵便ポスト』東京都新宿区霞ヶ丘町10-1 新国立競技場内
●映えない度……★☆☆(映えてます)
※「映えない度」は最高3つ★
●今回の出費(電車賃)……新丸子─目黒─千駄ヶ谷、往復740円
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