オヤジはついていけないわ!! 押すのか引くのかどっちだよ!! クルマのスイッチ操作難しすぎる

■デザイン優先で決まってしまうことも

メルセデスEQSのMBUXハイパースクリーン。ドライバー側から12.3インチ、17.7インチ、12.2インチと、助手席側までつながるディスプレイが採用されている(写真はEQS 450+)
メルセデスEQSのMBUXハイパースクリーン。ドライバー側から12.3インチ、17.7インチ、12.2インチと、助手席側までつながるディスプレイが採用されている(写真はEQS 450+)

 昨今は、液晶ディスプレイを多用したインテリアのクルマが増えてきた。

 なかでも、早い時代から使ってきたのがメルセデスだ。メルセデスEQSのMBUXハイパースクリーンなど、ダッシュボードの幅いっぱいにまで、液晶ディスプレイを使っているのを見ると、「いよいよ未来のクルマがやってきた」ように感じる。

 タッチ操作は、スマホ操作の延長線にあるので、誰でも馴染みやすい、といった良さがある。

 ただ、スマホは手で持つので揺れても操作できるが、クルマのタッチパネルには支えがない。

 走行中のクルマは、場合によっては大きく揺れていることもあるし、そもそもドライバーは、走行中、前を見ていなければならず、タッチパネルを操作するには、チラチラ画面に視線を落とす必要がある。

 もちろん、ナビの設定などは、走行中にはできないようにしているメーカーも多いが、クルマによっては、エアコンの設定なども、タッチパネルのなかに組み込まれてしまっているものもあり、これが非常に操作しづらい。

 かつて某メーカーの設計担当者へ、「どうして液晶ディスプレイを使うのか」と聞いたことがあるのだが、その答えは「デザインのトレンドだから」ということだった。機能性よりも、デザイン性を優先して設計しているというのだ。

 ステアリングスイッチの設置でカバーできているものはいいが、そうではない操作に対して、どのように考えているのか疑問だったのだが、「デザイン優先で」という言葉がでてきたときには、元自動車メーカーエンジニアとしては、非常に残念に感じた。

 例えばランドクルーザーの場合、起伏のある砂漠や悪路を走行するため、揺れる車内でも操作できるよう、あえてスイッチには物理スイッチを多く使っているという。

 先進性という面では一歩足りない、無骨なインテリアだが、この方が安心できる、といった方も多いはずだ。何でもかんでも液晶タッチディスプレイに機能を集約すればよい、というわけではないと思う。

*   *   *

 いかがだろうか。操作スイッチに関して、筆者が考える理想は、液晶ディスプレイには触れずにコントロールができる「マルチ操作ダイヤル」だ。

 メーカーごとに操作のクセがあって最初は困難だが、慣れてしまえばこの操作法が、もっとも合理的で安心できる。だがこのマルチ操作ダイヤルを廃止し、代わりに大型液晶を採用するメーカーも増えている。

 ボタン式、タッチ式、ダイヤル式など、形式には正解はないのかもしれないが、「人がストレスなく使いやすいこと」を最優先に設計してほしいと思う。

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