■先進技術アイテムのお品書きが、いま一歩少ない「ステップワゴン」
ステップワゴンも、ACCやレーンキープアシストを含む「ホンダセンシング」が税込299万円のエントリーグレードを含めて全車標準装備だ。渋滞時にステアリング操作をアシストする「トラフィックジャムアシスト(ハンズオフなし)」や、歩行者と衝突のおそれがある場合に音とディスプレイ表示で警告、車道方向へのステアリング操作を支援する「歩行者事故低減ステアリング」なども備わる。ただし、ハンズオフ機能は備わっていない。
また、他メーカーではオプション設定のあるヘッドアップディスプレイやリモートパーキングも設定自体がなく、3車種のなかでは、技術投入量が一歩少ない状況だ。
近い将来、ホンダは高速走行中のハンズオフを可能とする次世代のホンダセンシング360を投入予定としている。ステップワゴンなどの量販車への適用は、2024年以降の採用となるそうだが、できるだけ早いキャッチアップが求められるところだ。
■「欲しい」と思わせるADASを、コスパよく用意した「ノア/ヴォクシー」
ノア/ヴォクシーも、ACCやレーンキープアシストなどを含む「トヨタセーフティセンス」を税込267万円のエントリーグレードを含めて全車標準装備で、さらに「ドライバー異常時対応システム」も標準装備。この点はポイントが高い。
また、渋滞走行中に一定条件下でハンズオフ走行が可能な「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」や、ドライバーが周囲の安全確認後、ウィンカーを操作するだけで、車線変更を手助けしてくれる「レーンチェンジアシスト」、車外からスマホの操作でクルマが駐車できる「アドバンストパーク(リモート機能付)」が、メーカーオプション「トヨタチームメイト」として14万円ほどで用意されている。特にリモート操作は、セレナでは50万円クラスのセットパッケージ、ステップワゴンでは設定すらなく、ノア/ヴォクシーのコスパのよさが光っている。
■ADASを極めているのはセレナだが、コスパを考えればノア/ヴォクがダントツ
以上をまとめると、高速道路上の全車速でのハンズオフが可能なセレナのプロパイロット2.0は、この3車種で最も先を行くシステムであり、「ADASを極める」方向に強いのはセレナだといえる。
ただ、478万円という車両価格は、ノア/ヴォクシー(エントリーグレード)の1.8倍であり、ミドルクラスミニバンとしては異常に高く、ユーザーとしてもなかなか選びづらいモデル。「ナビリンク付きプロパイロット」の50万円近いセットパッケージも、なかなか勇気のいる価格設定だ。
そんななかで、ノア/ヴォクシーはエントリーグレードの価格ももっとも安く、10万円台のオプションで、渋滞時ハンズオフや自動レーンチェンジ、アドバンスドパークが付くトヨタチームメイトまでも備えられる。コスパのよさは、もはやダントツであり、「ADASを広める」方向に強いのは、このノア/ヴォクシーだといえる。
一方、ステップワゴンはエントリーグレードの価格も3車種で最も高く、ADASでも攻め切れていない。もちろん、ADASと価格だけではクルマのよさを語ることはできず、人気にも直結しているともかぎらないのだが、ステップワゴンは、あと一歩、「わかりやすい強み」が欲しいところだ。
【画像ギャラリー】ノア/ヴォクシー、セレナ、ステップワゴンをコストでADASを斬ると?(25枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方ノアヴォクのチームメイトはリコール出たけど大丈夫なの?
OTAで勝手に修正できるレベルですし、リリースにも実被害はごく僅かと記載されているので、特に問題ないかと思います。