2022年も盤石だった「トヨタ車」の強さの秘訣はどこに!? トヨタ各車のライバル車に足りないモノとは?

■ノア&ヴォクシーなど洗練されているトヨタのクルマ作りと戦略が光る!

現行型ノア&ヴォクシーのように洗練されたクルマ作りと戦略の差がライバル車との販売台数との差に出ていると筆者は指摘する
現行型ノア&ヴォクシーのように洗練されたクルマ作りと戦略の差がライバル車との販売台数との差に出ていると筆者は指摘する

 以上のように、トヨタ車対ライバル車をチェックすると、トヨタ車は全般的に洗練されている。開発段階では、他社と同じく数多くの困難や課題を乗り越えているが、トヨタ車はその苦心の痕跡を消し去ってから発売している。

 他社の商品では、その苦心が時々残ってしまうが、トヨタ車の仕上がりはキレイで洗練されている。この差は顧客満足度に大きな影響を与える。

 また、トヨタ車には戦略がある。例えば、ノア&ヴォクシーは従来型も好調に売られたから、膨大な保有台数を抱える。この乗り替え需要を呼び込むことも視野に入れ、前述のとおり安全装備や運転支援機能を充実させた。

 ミニバンの車内の広さや走行性能は、すでに安定成長の段階に入ったから大幅に向上させるのは難しいが、安全装備と運転支援機能は今でも進化している。そこでノア&ヴォクシーは思い切り刷新して、従来型のユーザーが自分のクルマと見比べた時に「新型が欲しい!」と思えるように作り込んだ。

 そのためにアドバンストパークやアドバンストドライブのセットオプションは、クラウンクロスオーバーでは上級のRSでないとオプション装着できないのに、ノア&ヴォクシーは価格が一番安いノアXを除いた全車にオプション設定した。

 高価格車のクラウンクロスオーバー以上に装備を充実させ、乗り替え需要を呼び込む戦略だ。またノア&ヴォクシーは大量に販売されるから、安全装備を充実させると事故防止の効果も大きい。

 その点でホンダは、CR-Vやシビックを一度廃止して、その後に復活させた。CR-Vは復活させた後に再び廃止している。オデッセイも狭山工場の閉鎖に伴って廃止したが、社内や販売会社には存続を求める意見が根強く、販売店によると「2023年の秋に中国製の輸入を開始する」という。ホンダは場当たり的で、トヨタに比べると戦略性が低い。

 この違いを生み出したのは、トヨタの販売体制だ。日産の店舗数は全国に2000箇所少々、ホンダも2100箇所を少し超える程度だが、トヨタは2倍以上の約4600箇所に達する。しかもトヨタの販売会社には、メーカーの資本に依存しない独立した地場資本が多い。

 そのためにトヨタでは、開発や生産を受け持つメーカーと、販売会社の立場が対等だ。商品開発も販売現場の理解を得やすい顧客指向になり、それが充実した販売網との相乗効果で売れゆきを伸ばしている。つまりトヨタ車の特徴は、好調な売れゆきを支える国内販売網の違いに基づいているわけだ。

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