2022年も盤石だった「トヨタ車」の強さの秘訣はどこに!? トヨタ各車のライバル車に足りないモノとは?

■コンパクトSUVの場合

カローラクロスは好敵手のホンダヴェゼルを相手に互角以上の戦いを繰り広げた。ベースはCセグのカローラのため、Bセグでフィットベースのヴェゼルよりもやや大きい
カローラクロスは好敵手のホンダヴェゼルを相手に互角以上の戦いを繰り広げた。ベースはCセグのカローラのため、Bセグでフィットベースのヴェゼルよりもやや大きい

 コンパクトSUVでは、カローラクロス対ヴェゼルがある。2022年の1カ月平均登録台数はカローラクロスが4923台、ヴェゼルが4228台であった。

 カローラクロスが優れている特徴は実用的で、荷室容量にも余裕があることだ。後席を使った状態の荷室長は、全長が4500mm以下のSUVではカローラクロスが最も長い。

 また、ハイブリッドのWLTCモード燃費は、2WDの場合、カローラクロスが26.2km/Lだ。ヴェゼルで売れ筋のZは24.8km/Lだから、カローラクロスが少し優れている。

 その代わりにヴェゼルも内装が上質で、後席の足元空間はカローラクロスよりも広い。燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席を格納すると、ボックス状の広い荷室になる。ヴェゼルも商品力が高いため、登録台数の差も小さい。実力は伯仲している。

■LサイズSUVの場合

トヨタLサイズSUVのドル箱モデルであるハリアー。洗練されたデザインの都会派SUVとして確固たるポジションを築いている
トヨタLサイズSUVのドル箱モデルであるハリアー。洗練されたデザインの都会派SUVとして確固たるポジションを築いている

 LサイズSUVでは、ハリアー対CX-60がある。CX-60は発売直後とあって販売データが出揃っていないが、直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボや後輪駆動ベースのプラットフォームを採用して注目度は高い。前輪駆動ベースのCX-5とは、クルマ作りが大幅に異なる。

 ただし、マツダの上級SUVでは、2023年中に登場予定のCX-80が本命だ。CX-60と同様の後輪駆動をベースにしたプラットフォームを使う。

 従ってCX-60は、CX-80のショート版に位置付けられてスポーティ感覚を強めた。そのために乗り心地などが少し硬い。トルクコンバーターを使わない8速ATも、低速域/低回転域の変速で作動が粗く感じることがある。

 つまり、CX-60には今後洗練すべき面が散見されるが、ハリアーは熟成が進んでいる。乗り心地が上質とはいえないが、CX-60のような硬さは感じない。ハイブリッドはノイズも小さく、加速は滑らかだ。

 CX-60のようなスポーティ感覚や個性的な面白さは乏しいが、違和感を徹底的に抑え込んだ。ハリアーでは、各部のデザインから運転感覚まで洗練度が高く、人気の秘訣になっている。

■セダンの場合

Cセグのセダンであるカローラ。Bセグのセダンとして先代モデルとなるカローラアクシオも併売されている
Cセグのセダンであるカローラ。Bセグのセダンとして先代モデルとなるカローラアクシオも併売されている

 セダンについては、トヨタにはカムリ、カローラ/カローラアクシオ、センチュリー、燃料電池車のMIRAI、SUV風セダンのクラウンクロスオーバーがある。レクサスでもLS/ES/ISを選べる。

 ところが、他社はセダンが激減しており、日産はスカイラインだけで、ハイブリッドモデルは運転支援のプロパイロット2.0を含めて廃止された。ホンダでは、アコードがフルモデルチェンジを控えて販売を停止しており、現時点ではセダンを買えない。三菱もセダンはない。

 スバルは新型インプレッサでG4を廃止したから、セダンはWRX S4のみになる。マツダには、マツダ3とマツダ6にセダンがあり、今ではラインナップが多い部類に入る。

 このようにトヨタは、OEMを除くと軽自動車を用意しない代わりに、セダンの品揃えを充実させた。これも他社とは違うトヨタならではの特徴だ。

次ページは : ■ノア&ヴォクシーなど洗練されているトヨタのクルマ作りと戦略が光る!

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