■コンパクトSUVの場合
コンパクトSUVでは、カローラクロス対ヴェゼルがある。2022年の1カ月平均登録台数はカローラクロスが4923台、ヴェゼルが4228台であった。
カローラクロスが優れている特徴は実用的で、荷室容量にも余裕があることだ。後席を使った状態の荷室長は、全長が4500mm以下のSUVではカローラクロスが最も長い。
また、ハイブリッドのWLTCモード燃費は、2WDの場合、カローラクロスが26.2km/Lだ。ヴェゼルで売れ筋のZは24.8km/Lだから、カローラクロスが少し優れている。
その代わりにヴェゼルも内装が上質で、後席の足元空間はカローラクロスよりも広い。燃料タンクを前席の下に搭載したから、後席を格納すると、ボックス状の広い荷室になる。ヴェゼルも商品力が高いため、登録台数の差も小さい。実力は伯仲している。
■LサイズSUVの場合
LサイズSUVでは、ハリアー対CX-60がある。CX-60は発売直後とあって販売データが出揃っていないが、直列6気筒3.3Lクリーンディーゼルターボや後輪駆動ベースのプラットフォームを採用して注目度は高い。前輪駆動ベースのCX-5とは、クルマ作りが大幅に異なる。
ただし、マツダの上級SUVでは、2023年中に登場予定のCX-80が本命だ。CX-60と同様の後輪駆動をベースにしたプラットフォームを使う。
従ってCX-60は、CX-80のショート版に位置付けられてスポーティ感覚を強めた。そのために乗り心地などが少し硬い。トルクコンバーターを使わない8速ATも、低速域/低回転域の変速で作動が粗く感じることがある。
つまり、CX-60には今後洗練すべき面が散見されるが、ハリアーは熟成が進んでいる。乗り心地が上質とはいえないが、CX-60のような硬さは感じない。ハイブリッドはノイズも小さく、加速は滑らかだ。
CX-60のようなスポーティ感覚や個性的な面白さは乏しいが、違和感を徹底的に抑え込んだ。ハリアーでは、各部のデザインから運転感覚まで洗練度が高く、人気の秘訣になっている。
■セダンの場合
セダンについては、トヨタにはカムリ、カローラ/カローラアクシオ、センチュリー、燃料電池車のMIRAI、SUV風セダンのクラウンクロスオーバーがある。レクサスでもLS/ES/ISを選べる。
ところが、他社はセダンが激減しており、日産はスカイラインだけで、ハイブリッドモデルは運転支援のプロパイロット2.0を含めて廃止された。ホンダでは、アコードがフルモデルチェンジを控えて販売を停止しており、現時点ではセダンを買えない。三菱もセダンはない。
スバルは新型インプレッサでG4を廃止したから、セダンはWRX S4のみになる。マツダには、マツダ3とマツダ6にセダンがあり、今ではラインナップが多い部類に入る。
このようにトヨタは、OEMを除くと軽自動車を用意しない代わりに、セダンの品揃えを充実させた。これも他社とは違うトヨタならではの特徴だ。
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