「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーとともに1997年に登場した初代プリウス。世界初のハイリッドシステムを搭載した量産乗用車は、画期的な存在だった。そして初代プリウスなくして、現在のハイブリッド車の隆盛はあり得なかったはずだ。ところが5代目となる新型プリウスでは、新たなコンセプトを追及している。そのインパクトは初代を超えるものなのだろうか?
文/ベストカーWeb編集部、写真/Toyota、ベストカー編集部
■28km/Lという画期的な燃費
ベストカー編集部では、社用車としてこの初代モデルを購入した。最初期のいわゆる樹脂製バンパーを装着したモデルだ。そして編集部員は、多くの取材の足として使用することで、このまったく新しいコンセプトのクルマに触れることとなった。
THSと名付けられたハイブリッドシステムは、1.5Lエンジンとモーターを遊星ギアを用いたトランスミッションでつないで構成されている。発進時はモーターの駆動力で動き始め、やがてこれにエンジンの駆動力が加わる凝ったシステムだ。
速度が上がるとエンジンが主体の走行となるが、アクセルを深く踏み込むとこれにモーターの力が加わる。エンジンは走行に加えてバッテリーへの充電も行い、モーターは減速時に発電機としての役割も担うのだ。
初代プリウスはブレーキに回生ブレーキを採用。最初はモーターを発電機として使用する際の抵抗力で減速し、最後はブレーキパッドで停止する仕組みとなっている。
初期モデルはこの使い方にコツが必要で、慣れないと最後にブレーキが強く効きすぎてしまう「かっくんブレーキ」という現象が起こりやすかった。ただ使っているうちに慣れてしまうので、編集部員が苦労することはなかった。また後の改良でこの現象は起こりにくくなっている。
未来的なデザインのボディは空気抵抗を強く意識し、床面まで平らにすることでCD値は0.30であった。未来的といえば、センターメーターを採用したインパネも印象的で、スピードなどの情報を車内で共有する感覚は新鮮だった。
当時の10・15モード燃費は28km/Lで、このクラスとしてはとんでもない数値だった。同時期に販売されていた5代目カローラ(1500cc)のATの10・15モード燃費は16km/Lほどだったのだから、そのすごさがわかる。
実際燃費走行を意識しなくても、街中での利用で20km/Lを割ることはほとんどなかった。当時はマニュアルミッションのクルマの方が良好な燃費スペックを持つことが多かったが、ATで楽にこの燃費を出せるのが印象的だった。
またこれだけ新しいシステムを採用しながら、開発期間がわずか2年というのも驚きであった。
コメント
コメントの使い方エンジン付きのプリウス
テスラに遅れるばかりだね