2023年1月の段階で約889万台まで普及台数を伸ばしたETC2.0だが、実際の所、現在も使われている最初のETCと比較してメリットはどの位あるのだろうか。将来性も含めて、これからクルマを購入する人にとってのどちらの方がいいのかを考えてみた。
文/高山正寛 写真/池之平昌信、奥隅圭之、ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:ふわしん@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】ETCの使いどころを画像で確認しよう(8枚)画像ギャラリーETC2.0の利用率は圧倒的に商用利用が上

1997年の試験導入時を除くとETCの一般利用が開始されたのが2001年4月。普及のための数々の施策により、全国の高速・有料道路に配備され、高速道路6社の累計でも94.2%(2022年11月現在)まで利用率は高まっている。
車両区分で見ると普通車以下(軽・普通車)が93.4%に対し、中型車以上は98.3%と物流などのビジネス利用が多い。ただ2016年6月に90%を超えてからは伸び自体は鈍化傾向にあり、上限に近づきつつある。
その中で2011年3月からサービスを開始したのが「ETC2.0」だ。簡単に言えばETCの上位互換規格で、最大の特徴はETCに対し「双方向、大容量」で高速通信ができる点にある。
規格名がコロコロ変わるのでわかりづらい部分もあるが、通信アンテナ(ITSスポット)から得られる情報自体は確かに多く、車両とスポットが双方向で通信することで、渋滞回避ルートの提案やSAの混雑情報なども取得できる。
ただ、このETC2.0、2023年1月の段階で普及(セットアップ)台数が約889万台まで広まってはいるが「利用率」で見ると普通車以下は19.9%に対し、中型車以上は66.7%(いずれも2022年11月現在、高速道路6社合計)と大きく差が開いているのがわかる。
ここで言う「中型車以上」という区分は「中型・大型・特大」を意味するが、中型は道路交通法の区分では車両総重量7500kg以上、11000kg未満(最大積載量は割愛)なので基本はビジネス利用と考えていいだろう。
では見方によってはまだまだ“伸びしろ”がある普通車なのになぜここまで差が付いているのか、また普及が進まないのだろう。
ETC2.0の機能がまだ限定的
ETC2.0がこれまでのETCと大きく異なるのは前述したように双方向通信を活用することで、新たなサービスを提供できる点にある。
まず最初にあるのが「一時退出・再進入」だ。
これは高速道路において一度高速道路を降りて、再度進入しても料金自体はそのまま利用していた場合と同じという社会実験だ。
目的としては昨今問題となっている高速道路の休憩施設の不足解消と同時に地方(地場)産業をサポートすることにある。
具体的にはSAやPAなどの休憩施設同士が約25km以上離れており、ICの2km以内にある道の駅を対象とすることで、メリットが受けられるのだが、実際これをどれだけ使っているのかは肌感覚とはいえ、それほど感じていない。
例えば、高速道路を降りた先にある道の駅に急速充電設備がSA/PAより多く配置されていたり、優先利用か可能(これ自体は難しい)などのメリットがあれば立ち寄ろうと思うだろうが、わざわざ高速を降りるという行為自体が面倒臭い。
またこの料金システムを活用するにはETC2.0車載器&ETCカードはもちろん、対象となるICまたはスマートICから退出後、2時間以内に同一ICから再進入しなければならない。ルールとしては正しいのだが、昨今の道の駅は買い物だけではなく、食事スペースなども充実している場所があり、2時間という制約は人によっては短いと感じるケースもある。
コメント
コメントの使い方実際のところETC2.0は必要か?
今になってみれば必要性なんてほぼ無いに等しい。この原因は頭が悪く(Google Mapとの力とスピードの差を分からなかった)税金と同類の金でやってる無責任さから10年も前に無用と明白になっているのに中止できない現実が有ったのでしょう。
一般のドライバーからしたら、普通のETC車載器に比べてわざわざ高い値段を払う価値を感じないんでしょう。
ETC2.0は無駄な情報が入ってくるのがウザい。
神奈川県内の圏央道から愛知県方面にナビをセットして走ってるのに、首都高何号が渋滞中とか通行止めとか東京方面の情報何か要らねえよって毎回思う。かえってドライバーを惑わせてるじゃんかって。
目的地をセットしてるんだから反対方面のいらない情報はカットしてほしい。
>中型は道路交通法の区分では車両総重量7500kg以上、11000kg未満(最大積載量は割愛
高速道路の料金体系をもう一回調べ直してから、記事書きな