ナディアに続いた!? マークXまで3列化の大勝負!! あえて「脱ミニバン」で挑んだクルマたち

■ミニバンを超えたSUVと過去の挑戦者たちとの大きな違いは何?

1998年登場のトヨタ ビスタアルデオ。ビスタのステーションワゴン版として設定され一定の評価を得た
1998年登場のトヨタ ビスタアルデオ。ビスタのステーションワゴン版として設定され一定の評価を得た

 皆さんご存じの通り、令和は空前のSUVブーム。20年以上続いたミニバンの牙城を、SUVが崩したのだ。

 過去の挑戦者たちと現代のSUV。共通するは広い車内と2列シートという点である。挑戦者たちに無く、今のSUVにあるものとは一体何なのだろうか。

 1つ言えるのは、オーパやマークXジオが、リアシートの格納方法に凝り無理にフラットな荷室を作ろうとしたのに対し、今のSUVは荷室空間のフラット化に、そこまでこだわっていないということ。

 格納に凝ったシートは、軽く薄く作られていく。操作性は上がるが、座り心地は下がっていく一方だ。座面は薄く短く、バックレストも低くなりがちである。対して、今のSUVは後席シートが分厚く上質だ。

 クルマに広さを求めるユーザーが、重要視するのは後席の居住性。ドライバーの空間は運転操作をするステアリングとペダルがある以上、広くするにも限界がある。何も広いクルマを買って、自分が広い室内を堪能しながら運転しようと考える人はほとんどいないだろう。

 こうしたユーザーのニーズは、大切な人が乗るリアシートの居住性の高さにあるのだ。人気のSUVたちは、挙っていいリアシートを持っている。

 ここを見誤ったオーパやマークXジオは、結果として失敗した。同時期に登場し、複雑なリアシート格納機構を持たなかったビスタアルデオは、上質なリアシートの作り込みで、一定の評価を獲得している。ここに気づければ、オーパなどがミニバンに対抗するゲームチェンジャーになれた可能性はあるだろう。

 それでも、新たなカタチを提案してきた各車は、現代につながる自動車の礎を築いてきた。人気のカタチに縛られない自由な発想から生まれるクルマの存在は大切だと思う。オーパ・マークXジオのようなチャレンジには、改めて敬意を表したい。

【画像ギャラリー】勇気か!? それとも蛮勇か!? さまざまな発想でミニバンブームに反旗を翻したクルマたち(13枚)画像ギャラリー

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