BMWの名車2002(マルニ)がEVで復活!? ベンツにVWのコンセプトカー衝撃すぎ

■VWはID.7プロトタイプを展示

VWが開発中である新型EVセダン「ID.7」のプロトタイプを発表。ID.7は、VWが2026年までに市販予定の10車種の新型EVのうちの一台で、ID.ファミリー初のセダン。市販は2023年の夏頃になる予定
VWが開発中である新型EVセダン「ID.7」のプロトタイプを発表。ID.7は、VWが2026年までに市販予定の10車種の新型EVのうちの一台で、ID.ファミリー初のセダン。市販は2023年の夏頃になる予定

 同じく中央プラザに展示されていたVW ID.7は、ほかのモデルと同じくこれがワールドプレミアとなるのだが、ハッキリ言って見せ方があまりにもヘンテコリン。

 照明を落とした部屋に案内された観客は、デジタル迷彩風にカラーリングされたクルマを、ストロボライトの点滅とスモークの演出で見せられる。これじゃ実際のクルマのデザインがまったくわからない。

 今年半ば市販予定なんだから、クルマはほぼ量産モデルに近いわけで、だったら「もっとちゃんと見せたほうがイイんじゃないの?」としか言いようがない。今回のCESのワースト展示と言えるかもしれない。

■サプライヤーの注目技術!

BOSEは、走行ノイズをコントロールして車内音を最適化する新技術などを公開
BOSEは、走行ノイズをコントロールして車内音を最適化する新技術などを公開

 僕がCESで大いに楽しみにしているのが、サプライヤーの新技術展示。今年もアチコチ見てまわりました。

 まず注目したのは「BEV時代に重要になる熱マネジメント」というテーマを掲げたヴァレオのブースだ。

 今後はヒートポンプによるキャビン冷暖房とパワコンやバッテリーの温度管理が統合制御されるわけだが、そのシステムをわかりやすく見せる展示モデルが面白い。

 設計が下手だと軽く10℃くらいバッテリーに温度ムラが生じるそうで、それをいかに均等に管理するかがキモ。その技術を利用して、コンピュータ冷却システムも作ってたりして、そのあたりもマニアックで面白かった。

 オーディオ系で今回、感心したのはBOSEの「車内のほかの人に聞こえないハンズフリーホン」のデモだ。

 BOSEお得意のノイズキャンセリング技術を応用し、ドライバー以外の席には逆位相の音を出すという理屈。デモで体感した限りでは実用上充分。その気になったらすぐ量産車に応用できると思う。

 そのほか、エンジン音のしないBEVに音のアクセントをつけるという技術のデモで、ハマーEVに同乗したのもレア体験だった。

■ZFの技術をゲームで体感

LiDAR(ライダー)を開発するルミナー・テクノロジーズは、リアルタイム3D地図を作製する目標を掲げた
LiDAR(ライダー)を開発するルミナー・テクノロジーズは、リアルタイム3D地図を作製する目標を掲げた

 駆動系の大手サプライヤーとして知られるZFは、内燃機関向け開発をすべて終了させてeアクスルに全力投球だが、今回はバイワイヤーステアリングシステムのデモが見どころだった。

 ZFがスポンサーとなって走らせるレーシングカーから実写データを抽出し、それをZFのバイワイヤーステアリングを使ったレーシングゲームで追体験するという仕掛け。そのへんのゲーム用ステアリングと違って「本物」だから、操舵力や反力がめっちゃリアル。ゲーセンに導入したらバカウケだろう。

 マニアックなところでは、天才オースチン・ラッセルが17歳で設立したルミナーのプレゼンがよかった。ここはLiDAR専業だが、大手サプライヤーに伍して、ボルボや上海汽車に採用されている。

 ここのキモは、そのLiDARを使って走りながら3Dマップをリアルタイム生成するという野心的プロジェクト。その3Dマップが自動運転のためのキーテクノロジーになるという理屈だ。

 自動運転インディカーにも、ルミナーのLiDARが使われていて、自動運転業界ではなかなか「台風の目」的存在になりつつあるような印象を受けた。

次ページは : 【番外コラム】会場内の移動システムが好評!

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