どうしてもEV購入する上で気になるのが充電時間。満充電での航続距離が伸びるのはいいけど充電に数時間なんて待ってられない!! そんな足枷解消に向けて政府が動き出した。
※本稿は2023年1月のものです
文/角田伸幸、写真/ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2023年2月26日号
■充電に時間がかかる! EVの懸念材料が解消
EVでロングドライブに出る時は充電計画が欠かせない。ところがいざサービスエリアなどで充電しようとすると急速充電器の出力が小さくて、「思ったほど充電されない」なんてことが起きる。
この悩みが改善されるかもしれない。政府が充電設備の規制緩和に乗り出すためだ。
そもそも出力50kW以上の急速充電器を設置するには、電力会社と「高圧受電契約」という契約を結び、契約者は6600Vを100/200Vに変換する変電設備(キュービクル)を自前で用意する必要がある。
さらに充電設備は出力を上げると段階的に設置条件が厳しくなるため、高出力の急速充電器を設置しようとすると莫大な費用が必要になる。
一説には100kWを超える急速充電器は設置コストが2000万~3000万円、維持費用が年間200万~300万円といわれ、日本で充電ビジネスが成り立たない大きな原因とも言われてきたのだ。
■充電設備の規制を緩和し普及を後押し
今回政府が規制を緩和しようとするのは、充電設備のなかでも200kWを超える高出力のもの。この設置基準を50kW超と同程度とすることで導入コストを下げ、普及を後押しするのが狙いだ。
今のところ、200kW充電を受け入れられるクルマはテスラやポルシェのタイカンなど一部の輸入車に限られるが、今後は次第に増えていくはずだし、複数台でシェア充電する場合にも出力ダウンの不安が和らぐから心強い。
政府は200kW超の設備に限らず、より多くの充電設備が恩恵を受けられるような規制緩和策を引き続き検討してほしいものだ。
2021年時点で国ごとの急速充電器(22kW超)の数を比べると、日本はわずか8000基。中国の47万基はもちろん、お隣韓国の1万5000基にも届かない数字だ。憂鬱な充電待ちのない世界の実現を強く願いたい。
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コメント
コメントの使い方遅れて、遅れて、やっと本気だなんて、厄所らしい、遅追ダネ、