進化し続けた70スープラ、自主規制値280PSまでパワーアップ
70スープラがデビューした1980年代後半は、バブル景気の後押しによって各メーカーが高性能・高機能を追求した時代。日産「フェアレディZ」やマツダ「RX-7」といった多くの人気スポーツモデルが登場する中で、70スープラは、これでもかと言わんばかりに高性能技術を投入して進化し続けました。
まず注目されたのは、1988年に500台限定で販売された「3.0GTターボA」。全日本ツーリングカー選手権の出場資格を得るためのホモロゲーション用モデルで、従来の3.0L直6 DOHCターボのタービンやインタークーラーの容量アップによって、最高出力を270PSまで向上。当時の最強エンジンでした。
1990年に行われたマイナーチェンジでは、それまでの3.0L直6 DOHCターボに代えて、2.5L直6 DOHCツインターボエンジンとし、ついに当時の自主規制値280PSに到達。ビルシュタイン社と共同開発した専用のショックアブソーバーやレカロ製シート、モモ製ステアリングなどを採用した「2.5GTツインターボR」は、スポーツモデルとして70スープラをさらに飛躍させ、多くのクルマ好きの若者の心を掴みました。
70スープラは、最高出力を280PSまで高めてその役目を終え、1993年に2代目「A80型スープラ」にバトンタッチしますが、21世紀を迎え排ガス規制や燃費規制に膨大なコストがかかるようになり、スープラは2002年、いったん生産を終了します。
そして2019年、待望の3代目「GRスープラ」が17年ぶりに復活。ダイナミックなロングノーズ/ショートデッキの低重心フォルムを継承し、BMW製ですが最高出力340PSを発揮する3.0L直6ターボおよび258PS&197PSの 2.0L直4ターボの3種のエンジンを搭載して、いまや貴重となったFRスポーツとして相変わらずの人気を獲得しています。
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ターボ化と大排気量化によって高性能を追求した1980年代を象徴するスポーツモデルである、A70型スープラ。様々な規制が緩かった時代に、本来あるべきスポーツモデルの姿を見せてくれた貴重なクルマです。
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