■カムリ消滅でセダンは実質カローラだけに……セダン愛好家は納得できず!?
トヨタディーラーでも、カムリ終売の情報は衝撃を与えている。3BOXセダンは、現在カローラとカムリ、そしてMIRAI&センチュリーの4つだけ。プリウスもセダンに区分けされているが、独立したトランクルームは無く、2.5BOXの形状だからセダン愛好家には少し売りにくい。
ここへ新しくクラウンセダンを投入予定だが、登場時期は未定。カムリが抜けると、普通に販売できるセダンはカローラ一択となり、トヨタディーラーの営業マンからは「売るセダンが無い!」と悲痛な叫びが聞こえてくる。
現行型カムリは2017年に登場。初期型オーナーは代替のタイミングを迎えている時期で、カムリオーナーへ買ってもらう次のクルマをどうするか、ディーラー本部も営業マンも試行錯誤している状況だった。
先述の通り、カムリはクラウンクロスオーバーとプリウスに吸収されるという見方が強く、基本的にはこの2車種を中心に買い替え相談を受けている状況だ。
だが、どちらも人気車種で納期は長い。さらにクラウンはSUV、プリウスは2.5BOXと、正統派セダンではないため、カムリオーナーからは拒絶反応が出ることもあるようだ。
セダンも無いし、カムリの後釜も決まらない。トヨタのセダン販売は、混乱の最中にある。
■でもでもカムリ後継モデルにも期待できる!? そのワケは歴史が物語っていた
後継モデルの芽はほとんどないが、カムリ復活の可能性はまだ捨てきれない。
グローバル販売台数は年間に約60万台と好調なカムリは、日本国内から撤退しても、北米を中心に海外販売を継続する予定だからだ。
(編集部注:カムリの生産は現在(約60万台のうち)ほとんどが米国と中国で行われている。それぞれ北米市場向け、中国市場向けに販売されており、それぞれの市場で堅調に推移。カムリの日本国内生産ぶんは(約60万台のうち)約5%強で、日本向けの販売はさらにその1/7程度。日本向け以外の生産車は欧州や豪州向けに出荷されている。こうした数字を見ると「日本仕様は終了してそのぶんを海外向けに回したほうがいいか…」とも思ってしまうが……)
過去にもカムリが終わりますという話は何度かあった。時には、後継車としてSAIが登場したものの、やっぱりカムリは必要だよねと販売を継続。逆に後継車候補だったSAIが姿を消した。
このように、ドロップアウトは確定なのだが、カムリ復活のシナリオも捨てきれないと筆者は思う。
ただし、そのためには日本国内でのセダン熱が、再び高まることが必要だ。少なくとも、グローバル販売台数の1%程度しか日本国内でカムリが売れない状況では、復活も何もあったものではない。
今回のカムリ終売で衝撃を受けたファンは多いはず。だからこそ、日本のセダン熱を上げていき、カムリ復活の道を切り開いていこうではないか。
ミニバン・SUV・軽ワゴンと、最近の日本車は「道具」感が捨てきれない。クルマがステータスだった昭和から平成初期のように、セダンの価値を再び高め、国内ユーザーの力で、新型カムリの日本導入を実現させよう。
便利なクルマはもちろん良い。だが、自動車ラインナップには、やはり重厚なセダンが無いと締まらない。今こそセダンが必要だと声を上げ、セダンに乗るべきだ。
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