「BRZ」もいいクルマなのになぜ?……「GR86」に乗り替えちゃう人がかなりいるワケとは?

■本来ワークスが活躍する舞台じゃないレース参戦がブランドイメージを希薄に?

BRZのスーパーGT300参戦車両(写真は東京オートサロン2023で出展されたマシン)
BRZのスーパーGT300参戦車両(写真は東京オートサロン2023で出展されたマシン)

 スバルが持てる技術のすべてを投入して参戦している車両が、トヨタのサテライトチームの参戦車両になっているGR86よりブランドイメージ薄いのだから困ったもの。

 初代レガシィやWRCで大暴れしたWRX STIを見て来た私からすれば「どうしちゃったの、スバル?」である。

現行型WRX S4も国産高性能スポーツのなかでは比較的納期が短いモデル。ニュル24時間レース参戦マシンもこのS4がベース車となる
現行型WRX S4も国産高性能スポーツのなかでは比較的納期が短いモデル。ニュル24時間レース参戦マシンもこのS4がベース車となる

 考えてみたらWRX S4も高性能車のなかで唯一納期が短い。これまたスバルが総力を挙げて取り組んでいるニュル24時間耐久レースで走らせているボディだったりして。考えてみたらスーパーGT300も、スバルがニュル24時間に参戦してるクラス(SP3Tクラス)も、基本的にワークスの舞台じゃない。

 そこで勝っても当たり前だし、逆に勝てなかったら超カッコ悪いだけ。高校サッカー大会の中にプロであるJリーグのチームが入っていくようなもの。サッカーで言えばワールドカップを争っていたWRCとは根本的に違う。ということを認識できない状況こそ、現在スバルが抱えている最大の課題なのかもしれない。なぜ、ブランドイメージが薄れてきたかということがわからないんだと思う。

■2023年6月からスバルのクルマ作りを舵取りする藤貫CTOに期待!

ADASのアイサイトなどで他メーカーをリードしてきたところも最近ではアドバンテージが薄くなってきていることを筆者は指摘する
ADASのアイサイトなどで他メーカーをリードしてきたところも最近ではアドバンテージが薄くなってきていることを筆者は指摘する

 有効なブランドイメージ回復策を取らないかぎり、このままだとスバルは埋もれていってしまうだろう。今やアイサイトに代表されるADASもすべてのメーカーで選べるし、アイサイトより高機能なタイプまで出てきており、決定打にならない。

 4WD性能だって実用領域ではトヨタとマツダが、楽しさ領域もトヨタが急伸しており、スバルのストロングポイントと言えなくなってきた。

 このあたりで方向変換していかないと日本市場は厳しくなっていくことだろう。直近は納期の短さで販売台数を稼げているものの、トヨタがフル生産に入ったらスバルにかぎらず販売シェアをドンドン奪われていくこと間違いなし。

スバル車の走りのすべてを統括しているのが同社常務執行役員CTO技術本部長の藤貫哲郎氏。藤貫氏の走りへの情熱は非常に熱い
スバル車の走りのすべてを統括しているのが同社常務執行役員CTO技術本部長の藤貫哲郎氏。藤貫氏の走りへの情熱は非常に熱い

 今のトヨタ車は私のようなクルマ好きですら納得できるレベルになってきた。6月1日からスバルのクルマ作りを一任される藤貫哲郎CTOの手腕に期待したい。

※藤貫CTOインタビューはこちら

【画像ギャラリー】ほぼ同じクルマなのに差が付くのはなぜ? GR86とBRZ(31枚)画像ギャラリー

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