トヨタ GR86とスバル BRZは兄弟車で同一のボディ&パワーユニットを使っている。にも関わらず、乗るとまるで違うクルマ!! 見えないところにどんな違いがあるのか?
※本稿は2023年2月のものです
文/橋本洋平、写真/TOYOTA、SUBARU、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2023年3月26日号
■BRZ VS GR86
●BRZ主要諸元
・全長:4265mm
・全幅:1775mm
・全高:1310mm
・ホイールベース:2575mm
・車重:1270kg
・WLTCモード燃費:11.9km/L
・価格:308万~343万2000円
●GR86主要諸元
・全長:4265mm
・全幅:1775mm
・全高:1310mm
・ホイールベース:2575mm
・車重:1270kg
・WLTCモード燃費:11.9km/L
・価格:279万9000~351万2000円
●同じ点
・出力とトルク特性
・強固に作りあげられたボディ
●違う点
・スロットル特性
・サスペンションセッティング
■兄弟車なのに乗り味がかなり違う2台
2Lから2.4Lへと排気量アップしたFA24を搭載するGR86とBRZは、先代比較でかなりの低速トルクアップを実現。ウイークポイントだったトルクの谷もかなり収まってきた。それを達成したうえで7500回転までキッチリと回る吹け上がり。この仕上がりは嬉しい。
ただしこの両車、そんな基本特性をそのまま使うことなく、応答性をかなり変化させているところが面白い。特に86はやや過敏とも思えるアクセルレスポンスを実現。
例えばこれはコーナーからの脱出時に蹴り出す感覚に寄与しており、そこで後輪を使って曲げてやろうと狙っている。旋回重視にした足回りとの相乗効果がある時、絶妙なコーナーリングを見せる。
一方のBRZ。スロットルレスポンスはあくまでリニアでなければいけないという理念があるようで、全体的に穏やかな応答性。足回りも安定方向に仕立てられ、スポーツカーというよりはグランドツーリングカー的なテイストを狙っているように感じる。
同一パワーユニット&ボディで、ここまで味の違うクルマ作りが展開されているのが面白いし、贅沢だ。
コメント
コメントの使い方記事内容に賛同します。最低限の差別化で、別の車というほどに性格を異としている両傑作車ですね。
レスポンス以上に違って感じるのは足回りで、GR86は近年稀な硬さ。応答性や、うねり・荒れのある路面でも追従性が高く、姿勢制御もしやすいです。
BRZは比較すれば穏やかで、はっきり意志をもって速度も出してかかれば姿勢も変えられる両面を持った車。家族も乗るとかクーペとして格好良く街流す目的ならBRZおすすめ。