日本における自動車販売の多くを占める軽自動車。主流はスーパーハイト軽だが、見た目は正直同じように見える。使い勝手がいいのは認めるが、もう少しデザインに遊びがほしいところだ。そう、ここに取り上げる軽自動車たちのように!!
※本稿は2026年5月のものです
文:橋本洋平/写真:マツダ、ホンダ、ダイハツ、スズキ
初出:『ベストカー』2026年6月26日号
軽自動車に見るデザインへのこだわり
軽自動車第一号はスズキスズライト(1955年)で、それ以降、黎明期の軽自動車は個性が際立っている。なぜか? それはデザインが魅力をアピールする最高の手段だったからだ。安全基準も緩く自由度も高かった。
そんななか、航空機の技術を投入し、丸みを帯びた誰の目にも優しいデザインで登場したスバル360。質実剛健のデザインだったら、国民車と呼ばれるまでになっていなかっただろう。
この時代、R360クーペ、初代キャロルとマツダの健闘が光るが、乗用車に参入するにあたりオート三輪のイメージから脱却するには優れたデザインが必要だと判断していたためだ。
個性を主張し合う時代の次に360cc時代の軽自動車はパワーウォーズが勃発していたが、デザイン面での新ムーブメントは1970年に登場した初代ホンダZが先鞭をつけたスペシャルティ軽だろう。
遊び心は二の次とされがちな軽にあって、デザイン革命が勃発。ミニカスキッパー、フェローMAXハードトップ、フロンテクーペなどが続々登場し、特に若者を熱狂させた。
ホンダがまた軽自動車を変えた!!
そのスペシャルティ軽人気も終焉した1970年代後半から1980年代前半は、「実用性が高く安い」が正義となり、税制の有利さから商用車のボンバンが大人気。
マイティボーイなどの個性派が存在したが、そんなデザイン暗黒時代に登場したのが初代トゥデイ。またしてもホンダが軽のデザインに一石を投じたのだ。
ライバルより約10cmも低い車高ながらロングホイールベース、ワイドトレッドにより広い室内を確保。ワンモーションフォルムがウケて大ヒット。ピニンファリーナがデザインしたというデマが流れたのも秀逸さの証だ。
それからパワーを競い合ったアルトワークスとミラターボ。デザインはミラが大阪風コテコテエアロ仕様だったのに対し、2代目ワークスは丸目+非対称グリルのデザインで登場。ワークスの顔は当時斬新だった。
1980年代から1990年代初頭にかけてはリーザ&リーザスパイダー、ヴィヴィオT-TOPといった個性派のデザインも押さえておきたい。
そしてパジェロミニだ。軽枠という厳しい制約のなか、貧乏くさくならず本家をコピーしたのに感心する。
【画像ギャラリー】昔の軽ってこんなにオシャレ!! 歴代デザイン傑作モデルを一挙公開(40枚)画像ギャラリー美しい軽ほど売れない時代になった
20世紀末以降になると各メーカーの生産技術、プレス技術が飛躍的に進化して軽のデザインクォリティが飛躍的に高まった。R1、iはその筆頭格で、日本車のデザイン殿堂なるものがあれば上位ランクは確実の秀逸なデザインだ。
そのほかネイキッド、ソニカ、N-BOXスラッシュなど新たなジャンルにチャレンジするために、デザインもそれに合わせたというモデルも存在する。
しかし、残念なことに令和の現在、デザインにこだわったモデルはムーヴキャンバス、現行ジムニーを除き販売面で苦戦している。花より団子か、と思うと悲しくなるが、軽メーカーは、これに懲りず、市場に花を添えるためにも今後もデザインにこだわってほしい。
【画像ギャラリー】昔の軽ってこんなにオシャレ!! 歴代デザイン傑作モデルを一挙公開(40枚)画像ギャラリー











































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