20倍も売れているアルファード!! エルグランドが勝つために必要なコト5選

■販売台数は1/20に……高級車なのにアルファードは2022年に10位と大健闘

何度も改良を重ねているが、未だハイブリッドの設定はなし。先進安全装備に至っては昨今の軽自動車よりも機能が少ないといった点も
何度も改良を重ねているが、未だハイブリッドの設定はなし。先進安全装備に至っては昨今の軽自動車よりも機能が少ないといった点も

 それから約21年。現在のアルファードとエルグランドの関係を見てみると、アルファードの1人勝ち状態が続いている。

 現行モデルのアルファードは2015年に発売された3代目であり、本年フルモデルチェンジが予定されているが、モデル末期でも爆発的に売れてたは周知の通り。

 具体的には2022年の年間販売台数は6万225台。これは全乗用車の中で堂々の10位というものだ。直近の2023年1月でも5144台も売れているのだから、人気に陰りは一切ない。

 一方、現在販売されているエルグランドはE52型として2010年に登場した3代目。もう13年も経つ古参である。

 この世代でプラットフォームがやっとFF化され、発売当時はその先代に対する洗練度に感動したもの。

 世界初となる中折れ機能つきキャプテンコンフォータブルシートや電動3列目席格納機構の採用に驚かされたものの、やはりアルファードと比較すると分が悪かったのも事実。

 エルグランドの2022年年間販売台数は2214台、2023年1月は254台の販売台数でしかない。

■エルグランド敗因はハイブリッドなしと幅広デザイン!!

 その大きな理由として挙げられるのが、ハイブリッドモデルが今の今になってもないこと。

 それはAC100V/1500Wコンセントの有無につながり、車内でノートPCを使って仕事をしたいユーザーにとっては、AC100V/1500Wコンセントは必須。当然、非電動車のエルグランドにはなく、その違いは大きい。

 エクステリアデザインもアルファードはより堂々感がある。とくにリヤスタイルは、アルファードはほぼ長方形でバーンと立派に見えるのに対して、エルグランドは台形スタイルでルーフにいくにしたがって絞られる先細デザイン。どちらが堂々と見えるかは一目瞭然だ。

■室内高の差で快適性も大違い!! 2列目は当然3列目もアルファード絶対有利

オットマンなど豪華な2列目を当たり前のモノにしたのはエルグランドであった。そして中折れ機能付きは未だアルファードも採用していない豪華装備
オットマンなど豪華な2列目を当たり前のモノにしたのはエルグランドであった。そして中折れ機能付きは未だアルファードも採用していない豪華装備

 両車ともに特等席として立派な2列目キャプテンシートを用意しているが、ここで差がつくのが実は室内高。エルグランドの室内高は1300mm。対するアルファードは1400mmだ。

 アルファードの開発陣に以前、「ミニバンの室内を広々と見せ、広々と過ごすには室内高1400mmが不可欠」と聞いたことがある。

 よって、スライドドアを開けた瞬間、室内空間がより広く見えるのはアルファードのほうなのである。全高にしてもアルファードの1950mmに対してエルグランドは1815mmでしかない。

 細かい話をすれば、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で2列目席の広さは、アルファードが頭上に270mm(エグゼクティブラウンジシート)、膝周りに最大510mm(エグゼクティブパワーシート)。

 対してエルグランドは同250mm、最大430mmでしかない。

 3列目席はアルファードの場合、頭上に145mm、膝周りに最小130mm(2列目席スライド位置による/ベンチシートは最大255mm)。

 エルグランドの3列目席は頭上に140mm、膝周りは最小40mmだ(2列目席スライド位置によって215mm以上になる)。

 また、2/3列目席の乗降性にかかわるスライドドア部分のステップ地上高もアルファードが有利。

 具体的にはどちらも2ステップの乗降になるのだが、アルファードの1段目は地上380mm、フロアは地上450mm。

 エルグランドは1段目の地上400mmはともかく、フロアはそこから95mm高い495mmと、アルファードより45mmも高く、乗降容易性としてもアルファードが上回る。

 しかも、ファミリーカーとしてこのミニバンを使うシーンでは3列目席の乗車の機会も多いはず。

 3列目席のかけ心地、とくに着座性、立ち上がり性にかかわるフロアからシート座面前端までの高さ=ヒール段差はアルファードのほうが高く、より座りやすく、立ち上がりやすい利点さえ持っているのだ。

 ちなみに2018年のビッグマイナーチェンジで、アルファードの顔つきがヴェルファイア以上に迫力あるものになった時点で、アルファードとヴェルファイアの関係も大きく変わり、その後のアルファード一強状態を決定づけたと言えるだろう。

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