「暖機運転不要」でもやるべき? ちょっとしたことで愛車の寿命をのばすコツ5選

「暖機運転不要」でもやるべき? ちょっとしたことで愛車の寿命をのばすコツ5選

 クルマの運転は楽しいが、何気ない操作が燃費を悪化させたり、寿命を縮める原因になったりもする。そこで「これさえ気を付ければトラブルが防げる」という運転のヒントを集めてみた。すぐできる内容ばかりだから、ぜひ実践すべし!

文/高根英幸、写真/Adobestock、ベストカーWeb編集部(トップ写真=Petro@AdobeStock)

■毎日初めて走り出すときは暖機走行を

最近のクルマはエンジンを始動してすぐ走り出しても問題ないように設計されてはいるが、エンジン始動直後から本来の性能を発揮できるわけではない(WORLD PRODUCE@AdobeStock)
最近のクルマはエンジンを始動してすぐ走り出しても問題ないように設計されてはいるが、エンジン始動直後から本来の性能を発揮できるわけではない(WORLD PRODUCE@AdobeStock)

 通常の運転で最初に気を付けることだが、まず冷間時の運転だ。最近のクルマは、エンジンを始動したらすぐ走り出しても問題ないように設計されているが、それは環境に配慮した仕様であるだけで、本来の性能を即発揮できるわけではない。

 エンジンオイルが温まり、冷却水が温まるまでは変速機の潤滑油も温まらない。特にATやCVTは油圧が非常に大事で、適正な温度域にならないと油圧も適正にならないから、その前に負荷を掛け過ぎると内部の部品へダメージを与えることに繋がってしまうのだ。

 冷間時はオイルが硬いから油圧も高めになるが、それは油圧センサーにかかる圧力が高いだけ。流動性(細部に行き渡る能力)は低下しているので、各部で本来の油圧まで達していないことがある。

 するとAT内部のクラッチやブレーキ(歯車を固定して変速させる機構)の締結力が不足して摩擦材の摩耗が進んでしまうことになる。

 とくにCVTは、プーリーがベルトを挟み込んで駆動力を伝えながら、順次ベルトを送り出し、変速時には挟み込みながらも滑らせるという絶妙な制御を行なっている。それだけに油圧の管理はシビアなのだ。

 エンジン自体にもそれがいえる。始動直後は燃焼を安定させるためにアイドリングを高め、濃いめの混合気を供給するから、その状態で普通に加速させてしまうと濃い混合気を大量に供給することになる。これによって燃費が悪化するだけでなく、吸気ポートにデポジット(燃料の燃え残り)を堆積させてしまうのだ。

 デポジットは吸気効率や燃料の霧化を阻害して、通常の走行時も燃費を低下させてしまうことになる。定期的にインジェクタークリーナーを燃料タンクに投入して、デポジットを解消させているオーナーもいるだろうが、自分の運転を見直すだけでもデポジットの堆積はある程度防げる。

 その日最初の始動直後は少なくとも5分、特にゆっくりと走って暖機走行してやることで、クルマへのダメージを防いで、燃費も向上させてくれるのである。

次ページは : ■走り出したら「アクセル」「ステアリング」「車間距離」に気を付ける

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