メルセデスベンツはこのほど、小型EVミニバンの「コンセプトEQT」のキャンピングカー仕様である「マルコポーロ」を公開した。VW ID.4とも絡めてEVでのキャンプの可能性について密かに軽キャンパーに憧れているという松田秀士氏に語ってもらった。
文/松田秀士、写真/ベストカー編集部、メルセデスベンツ
■軽キャンパーに密かに憧れた筆者?
桜も全国的な終焉が近づき、いよいよアウトドアを楽しむ季節が幕を開けた。そこで今回はグランピングなどキャンピングカーとしてのクルマのあり方に注目してみようと思う。
何を隠そう、筆者は2022年「軽キャンパー」に憧れ、N-BOXの購入を真剣に検討し(結局買っていない)、現在セレナe-Powerに真剣に目移り状態。というか軽キャンパー(N-BOX)の夢を捨てたひとつの理由が同年メルセデスベンツが発表した小型EVミニバン、「コンセプトEQT」だったのだ(ただし、現在メルセデスベンツジャパンでは日本導入予定はないが検討中とのこと)。
つまり、グランピングを含めたキャンピングには、やはりそれなりのスペースが必要だということ。したがって現在セレナe-Powerを検討中なのであるが、ICE(ガソリン車)ではなくe-Powerを検討している理由のひとつがエアコンのコンプレッサーが家庭用と同じ電動コンプレッサーであること。
ハイブリッド車やエンジンを持たないEVはエアコンのコンプレッサーの駆動にモーターを採用している。一方、ICE車ではエンジンの駆動を利用してコンプレッサーを回しているのだ。このためICE車ではアイドリングストップ時や停止時にコンプレッサーが稼働しないために車内温度コントロールができなくなる。
■車中泊には快適なEVのエアコン
ところが、e-POWERを含めたハイブリッド車では、あらかじめ蓄電しておいたバッテリーから電気を取り出してコンプレッサーをモーター駆動するので、バッテリーが充電されていれば充電量があるかぎりエアコンは作動するのだ。
EVの場合はそもそもエンジンを持たないからバッテリーからの電力供給のみでエアコンを動かしている。つまり、車中泊などをする時にEVならエンジンの音や振動なしに快適にエアコンが使え、ハイブリッド車ではバッテリー残量がなくなった時にエンジンが始動して充電がある一定量に達すると止まる、という動作を繰り返す。
例えば、PHEVの場合はもともとバッテリー容量が大きいのでEVほどではないにしても長時間エンジン始動なしでエアコンが使える。PHEVはバッテリー容量が不足してもエンジンで自己発電して充電するので、ガソリンがあるかぎりエアコンや外部出力で電化製品を使い続けることができるというメリットがある。
ハイブリッド車も同じように自己発電できるが、バッテリー容量が小さいのでアウトドアには向いていない。こう考えるとアウトドアにはPHEVが最適解だが、スペースクォリティや走破性を考えると今のところアウトランダーPHEVくらいしか思い浮かばないのだ。
コメント
コメントの使い方