■ハリアーとクラウンスポーツの協力関係がSUV市場の将来を活性化させる!!
国内ではハリアーの強さが維持されそうだが、根本的には敵対ではなく補完しあう間柄となりそうだ。
ハリアーが見つめるのは日本国内のユーザー。対してクラウンスポーツが見つめる先には、海外のプレミアムSUV達がいる。
興味深い同門対決ではあったが、それぞれの戦うステージが異なり、優劣をつけるのは難しい。各々のステージでトップに立ち、両者勝利となるのが理想的なカタチである。
そのためには、今後も国内ではハリアーが勢力を維持し、クラウンスポーツの新規市場開拓を支えていく必要があるだろう。
■クラウンスポーツに対するユーザーの声は好意的だが…
トヨタ・レクサスのSUVユーザーに、クラウンスポーツをどう思うか聞いてみると、好意的にとらえる声が多い。
詳報がない中で、エクステリアから想像できるイメージ的な評価に過ぎないが、現状は大成功と言ってもいいだろう。
ただ取材に応じてくれたユーザーと筆者が共通して気になるポイントがあった。それは「クラウン」というペットネームと「スポーツSUV」が、イメージの中でつながらないということだ。
クラウンクロスオーバーにもやっと慣れてきたが、やはりクラウンと言えば「ふんわりとまろやか」で「落ち着いた大人の高級感」がイメージから離れない。
今後登場してくるセダンやエステートには、少なからずクラウン的な造形や雰囲気が感じられるのだが、クラウンスポーツは良い意味でクラウンの枠を超えている。
■クラウンスポーツに課せられた使命と立ち位置
クラウンというペットネームが、クラウンスポーツの足を引っ張らなければいいなと筆者は思う。
これまでのクラウンにはなかった官能的で尖った良い部分を、ペットネームが薄めてしまわないかが心配なところ。個人的にはクラウンという名を外した方が、クラウンスポーツに関しては、しっくりくる。
しかし、こうした考えが巡るということは、クラウンスポーツに新たな個性を感じるということに他ならない。
クラウンスポーツには、86登場時のような独自の立ち位置を築き上げ、国産プレミアムスポーツSUVという新しい波を起こすことを期待している。
トヨタ同士の同門SUV対決は少々お預けとなるだろう。
その代わり、クラウンスポーツにはポルシェ・マカンやマセラティ・グレカーレといった、世界のスポーツSUVと戦い、クラウンの名を世界に広めるきっかけを作ってほしい。
ハリアーという盤石な日本市場の守護神がいるからこそ、クラウンスポーツには海外でひと暴れしてほしいところ。トヨタとクラウンの新たな挑戦は、まだまだ始まったばかりだ。
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