あの「オデッセイ」が国内で復活する。2023年4月7日、ホンダは、2021年末をもって販売を終了した同社のミニバン「オデッセイ」を2023年冬に再販売する旨を発表した。2020年11月にマイナーチェンジをした僅か13か月後に国内販売終了(中国市場では同型式のオデッセイが継続販売されていた)となっていたオデッセイ。復活は喜ばしいことではあるが、一度やめたものを、しかも同型のままなぜ復活させるのか、という疑問はある。なぜホンダはオデッセイをいったん廃止したのか!? そしてなぜ、復活させるのか!??
文:吉川賢一
写真:HONDA
2020年11月のマイチェンから僅か13か月後、国内販売終了に
レジェンド、クラリティ、オデッセイ、S660、2代目NSXと、ここ数年で、一時代を築いてきたクルマたちの生産終了が続々と報じられた国内ホンダ。ファンならずとも心配になってしまうところだが、なかでも、名門オデッセイの国内販売終了には驚かされた。
低く構えたスタイリングとスポーティな走りに、ミニバンの実用性も備えたことで人気上昇、一時期は年間販売台数10万台を超えていたほど、人気のあったモデルだ(1995年12万台、1996年11万台、2000年10万台、2004年9.7万台など)。5代目となる現行オデッセイは2013年10月に登場。2.0リッターガソリン+2モーターハイブリッドのe:HEVと、2.4リッターガソリンエンジンを備えた7/8人乗りの3列シートミニバンで、FFもしくは4WD(2.4リッターのみ)を選択することができた。
2020年11月のマイナーチェンジでは、フード前端のプレスラインを持ち上げ、フロントフェンダーも変更されたことで力強いフェイスに。ヘッドライト周りやブラック基調のグリルは、同社のインサイトやステップワゴンに似た雰囲気があり、国内でいま大人気となっている某ミニバンとは違い、すっきりとした清潔感のある印象だ。また、e:HEVの静粛性や走り心地は、ホンダのミニバン技術の集大成のような出来の良さであった。
乗ればいいミニバンであることは伝わるのだが、某大人気ミニバンの猛烈な勢いの前では存在感が霞んでしまう。それでもオデッセイは、マイチェン前は月販1000台だったのを、マイチェン直後には月販2000台にまでは上昇させることに成功するなど、大ヒットはないものの、そこそこ売れていた。
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