祝オデッセイ復活!! …だけどなんでいったん廃止してなんで復活させたの??

国内販売終了は、狭山工場閉鎖の影響も

 オデッセイの2021年末での国内販売終了は、ホンダの国内主力工場のひとつ、狭山工場(埼玉県狭山市)の閉鎖の影響が大きい。狭山工場では、国内向けのアコードやシビック、ステップワゴン、オデッセイ、レジェンドなどを製造していたが、一部を寄居工場(埼玉県寄居町)に集約し、一部はオデッセイのように生産終了となった。現在寄居工場では、シビック(タイプR含む)、フリード、ステップワゴン、ZR-V、Honda eと、複数車種を扱う重要な生産工場となっている。

 狭山工場閉鎖の理由は様々あるのだろうが(施設の老朽化や、余剰生産能力の整理など)、国内の自動車市場が縮小してきているのに加えて、国内では近年、トヨタの一人勝ちの状況であることも大きいだろう。唯一、軽自動車のN-BOXが孤軍奮闘している状況だが、軽自動車では、一台当たりの利益率は、乗用車のそれには敵わないはず。そのため、ホンダとしては、工場は閉鎖しながらも、乗用車の販売は上昇させたいところであり、少ないながらも需要のあったオデッセイも、本来であれば残したいところだっただろうが、この時は販売終了となっていた。

復活は当初から用意されていたシナリオでは??

 ホンダはオデッセイの復活について、プレスリリースの中で、「長く愛されてきたブランドであるオデッセイを継続してお届けしたいという想いと、お客様からの多くのご要望にお応えし、前モデルをベースとした改良モデルを発売します。」としている。オデッセイの再販売の告知をしているホームページでは、「低床ミニバンの灯を、絶やしてなるものか」という、ホンダエンジニアの意地とも思える言葉が並んでいる。

オデッセイの再販売の告知をしているホームページのコメント。「低床ミニバンの灯を、絶やしてなるものか」という、ホンダエンジニアの意地とも思える言葉が、心を打つが…
オデッセイの再販売の告知をしているホームページのコメント。「低床ミニバンの灯を、絶やしてなるものか」という、ホンダエンジニアの意地とも思える言葉が、心を打つが…

 再販されるオデッセイは、中国のオデッセイの生産工場(広汽本田汽車、場所は広東省広州市)で製造し、国内に輸入するかたちになるという。ホンダはこれまで、海外から日本へ輸入して販売するという戦略はとってこなかったのだが、現行オデッセイは、マイチェンをしたばかり、かつ売れ行きもさほど悪くはなかった(末期でも月販1500台は維持していた)ことを考えれば、ホンダは中国生産のオデッセイを日本市場へ輸入するシナリオを、当初から用意済みだったのではないだろうか。

 上記は筆者の想像ではあるのだが、もしそうだとするならば、販売復活を応援したい気持ちもあるものの、このような演出でユーザーの心を揺さぶることはどうなのかと、複雑な気持ちになってしまう。

販売価格も気になるところ

 オデッセイファンが望んでいるのは、現行オデッセイの再販のニュースよりも、さらに改良されたオデッセイの登場(=次期型オデッセイの登場)だ。もちろん再販の先にはそうしたシナリオも用意されているのであろうが、だとしたら、復活はそのタイミングでもよかったはずであり(むしろそのほうがいいような気がする)、なんだかしっくりこない。

 また、販売価格も気になるところだ。これまで通り、e:HEVを419万8000~458万0000円、2.4Lガソリンを349万5000円~392万9400円の価格帯で販売するのか、もしくは、輸入コスト分を上乗せしてくるか、はたまた値下げしてくるのか。

 とはいえ、名門オデッセイ復活自体は喜ばしいこと。もう二度と販売終了とならないような活躍を期待したい。

2023年4月7日に公開された、2023年冬発売予定の「ODYSSEY」改良モデル。見た目は何も変わっていないようだ
2023年4月7日に公開された、2023年冬発売予定の「ODYSSEY」改良モデル。見た目は何も変わっていないようだ
【画像ギャラリー】祝復活!! 2023年冬に再販売される ホンダ「オデッセイ」(7枚)画像ギャラリー

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